日立総合病院は昭和13年、日立製作所の企業立病院として開院しました。その後地域に開かれた病院として「高機能病院であること」、「高度専門医療を提供すること」のふたつを目標に、救急医療、がん治療、さらには関連施設を通しての回復期リハビリ、在宅医療・訪問看護まで、地域医療にトータルに取り組んでいます。
先の東日本大震災において当院も被災し、561床であった病床が、一時期320床に減少しました。その後、救命救急センターの開設などもあり現在は430床が稼動。さらに、来年7月には現在建設中の本館が完成し、503床での稼動となります。この本館の開業を機に、さらに地域とのつながりを強化していく予定です。
具体的にはまず、「腎臓病・生活習慣病センター」の設置です。当院では救命救急センターを設置し、極めて高度な救急医療を展開しています。しかし救急医療で命を取り留めても、後遺症を負ってしまうリスクがゼロではありませんから、地域の方にとっては、そもそも救急にかからなくてよいことが理想です。そこで脳出血等にかかわる高血圧、心臓疾患等につながる糖尿病、肺がんと関係する喫煙等々の問題に対処することで、生活習慣病の重症化予防に取り組み、地域の健康寿命を延ばすことをめざしています。
さらに「地域母子周産期センター」を設置。安心して出産・子育てができる環境を整備したり、前述のように在宅医療までを含め、医療と介護の連携の拠点としていくなど、地域の健康を構築するための拠点としていく考えです。