近森病院に入職して、今年で勤続24年になります。
現在はこの病院で医師としてのキャリアを全うしたいと考えている私ですが、正直に言うと24年前の赴任時には真反対の意識を持っていました。
岡山大学の医局で「次は近森に行ってくれ」といわれた瞬間に頭に浮かんだのは、「キャリアアップはできても激務の連続で、まるで野戦病院のようだ…」という医局の評判。決して積極的な感情で受け入れたわけではありません。
実際に仕事を始めたころは、確かに過酷な環境でした。しかし、医師としてやりたいこと、導入したいシステムがあれば、病院はしっかり支援してくれましたし、必要な器具や設備への投資にも積極的に応えてくれました。今の状況は厳しいけれど、ここでなら自分の医療を追求できるかもしれない。そう思えたから頑張れたんでしょうね。
当時から考えると、何もかも変わりました。もちろん、良い方向にですよ。そう感じているのは私だけじゃありません。24年前は岡山大学の医局で、“行きたくない病院ワースト5”だったのが、今では“行きたい病院ベスト5”ですから。隔世の感があります。
現在はそうしたレジデントも含めた整形外科スタッフ全体をマネジメントする統括部長として、外科医と管理者、2つの顔で仕事をしています。執刀も行いますが、骨盤骨折など高難度の手術や、人工膝関節など慢性期の手術、サルベージ手術などが中心で、圧倒的に多い急性期の外傷は若手に任せています。後は部長と一緒になって、中堅・若手医師の心と技術の向上をいかにして実現するかに注力しています。人材の育成は最重要事項ですからね。