脳神経外科部長 寺本 佳史 写真

地域の中核病院を目指し土台作りの真っ最中

医療法人 讃和会 友愛会病院

脳神経外科部長
寺本 佳史

  • 1992年
    近畿大学医学部卒業。同大学脳神経外科入局
  • 1997年
    1月岸和田徳洲会病院脳神経外科医員
  • 2007年
    1月近畿大学医学部附属病院病院講師
  • 2009年
    7月りんくう総合医療センター脳血管外科部長
  • 2013年
    4月より友愛会病院脳神経外科部長就任

地域医療に携わり学んだ多職種連携の大切さ

地域医療に携わり学んだ多職種連携の大切さ

 1992年に近畿大学医学部脳神経外科の医局に入局し、いろいろな病院で勤務をしてきました。前職はりんくう総合医療センターの脳血管外科部長として、医療過疎モデルとされた泉州地域で脳卒中診療の整備に携わっていました。2013年春に医局からの辞令を受けて、脳神経外科に力を入れている当院へ出向しています。約半世紀にわたって住之江区を中心とする大阪市南西部で救急を担っている病院でしたので、私としては脳卒中を中心とする脳神経疾患の中核病院にすることが責務であると考えています。
 あるきっかけから人の生命を救う仕事をしたくて志した道ですが、医師人生の半分を過ごした大学病院では難易度の高い目の前の手術を無事に終えることに精一杯で、患者さんの生活まで心配りができていなかったように思います。ところが、2006年に出向した市立泉佐野病院で地域医療として外来やリハビリにまで携わるようになり、日常や術後の支援がいかに重要なものかを身を持って知りました。患者さんの回復は手術した自分(医師)の力だけではなく、看護師やセラピストなど多職種の方々の注力があってこそなのだと気付くことができたのです。それから脳卒中後の後遺症に悩む患者さんの手助けができればと思い猛勉強をして、リハビリテーション専門医の資格も取得しました。
 当院に来てからは、若い医師に付いて脳外科手術の指導を行いながら、脳血管内治療を用いた手術は自ら行っています。脳血管内治療は開頭しないぶん回復が早いですし、高齢者にも適応を広げていける。患者さんにとってメリットの多い治療法で当院でも手術件数は増えてきていますが、まだまだ一般的には認知度が低く、啓蒙が足りないなと感じています。

脳神経外科の年間症例目標300件を達成

 当たり前ではありますが、私のモットーは「すべては患者さんのために」です。必要性をじっくりと考え、リスクが大きくて患者さんのためにならないのならば手術を行わないという判断も必要と考えています。患者さんの今後の人生設計に大きく関わる立場ですので、その意識は常に持っています。担当した患者さんから「先生、元気になりましたよ!」という声をいただくと励みになりますね。そして、現在は若い医師を指導する立場でもあるので、彼らが成長していく姿を見るのもまたやりがいの一つ。当院に来た研修医に「またこの病院に戻って来たい」と言ってもらえるように、手術の症例を増やしたり、他院との信頼関係を築いたりと、私にできることを模索しながら環境づくりをしています。
 私が当院へ来てから、チームみんなで「脳神経外科手術で年間症例300件を目指そう」という目標を立て、在院2年目で達成しました。この調子で地域の皆さんとの信頼関係を築きながら症例を増やし、地域の中核を担う病院にしていくのが我々中堅医師の使命。それを若い医師たちに繋いで維持していってもらいたいと思っています。私個人の目標としては、ライフワークである脳血管内治療も年間100件を目指します。また脳神経外科指導医の資格は持っていますが、脳血管内治療の方はまだ取得できていませんので、専門医から指導医に上がることが最も近い目標です。論文を書くことが苦手なのでなかなか重い腰が上がりませんが、時間を見つけて挑戦したいです。

各職種の垣根が低く、交流活動も活発です

各職種の垣根が低く、交流活動も活発です

 当院は規模としては小さな病院なので、各職種の垣根が低く、とてもアットホームな職場です。医療は、医師が一人で頑張ってもどうにもなりません。看護師や技師、セラピストや事務職の方など、みんなが一丸となって患者さんのことを考えなければ良い方向へ行きませんので、週に3度はディスカッションを行い、結束力を高めています。勤務外でも職員同士の交流があり、飲み会はもちろん、テニスやバレーなどスポーツサークルの活動も盛んです。私は事務職員やセラピストたちを集めて20人ほどの野球チームを作っていて、野球観戦へ行ったり、近所の病院のチームと試合をしたりと、楽しく息抜きをしています。院内での輪を広げる目的もありますが、ほかの病院やクリニック、救急隊員の方々と親睦を深めるきっかけにもなり、地域全体で医療を底上げできれば良いなと思いながら活動しています。また、当院はセコムグループの提携医療施設なので全国にネットワークがあり、他の病院や同じ脳神経外科同士の交流があるのも強みですね。医師にとって横の繋がりはとても大切ですから、恵まれた環境だと思います。
 この秋に新たな血管造影X線診断装置が導入されることで、当院でも脳血管内治療はより堅実な手術として定番化していくと考えられます。高齢者が増え続ける昨今、脳神経外科医はまだまだ必要とされていますので、興味を持っている医師や後期研修医に来てほしいです。

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※2015年9月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございますので、予めご了承ください。

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