私は46歳のときにこの玄々堂高田病院に転職してきました。それまでの20年間は急性期病院で循環器内科を担当。熟睡できない体になるくらい、本当に忙しい毎日でした。だから40歳を超えた頃から、「第2の人生は、患者さんとじっくり向き合える慢性期をやろう」と考えるようになったんです。
九州一円の病院を探し、出会ったのがこの病院でした。ここは慢性期の病院であると同時に、新たに循環器に力を入れようとしていましたし、地域のニーズも感じました。当時、豊後高田市内には循環器の専門医がゼロだったのです。自分ならそうしたニーズに応えられそうだし、理事長の「好きにやっていい」という言葉も魅力的でした。
現在は、循環器を主とした内科全般を担当しています。なかでもこれからメインに持っていきたいと思っているのは、心臓リハビリテーションです。今年の6月から始めました。大分県北では、本格的に心臓リハビリに取り組んでいる病院は、現時点では他にありません。心筋梗塞、狭心症、心不全といった心臓疾患の方、心臓手術後の方、大動脈や下肢の動脈疾患の方を対象に、心拍数や血圧をモニターしながら、運動のリハビリをしていきます。こうした方々は、自分がどこまで動いていいかわからないまま生活をしていることが多いのですが、医師がきちんと評価しながら、できる運動をした方が予後がよくなりますし、長生きすることが可能なんです。