心臓血管外科部長 市原哲也 写真

大動脈瘤破裂や急性解離などの緊急手術に高い実績

医療法人誠高会おおたかの森病院

心臓血管外科部長
市原哲也

  • 1985年
    愛媛大学医学部卒業
    東京女子医科大学心臓血管外科入局
  • 1992年
    湘南鎌倉総合病院 心臓血管外科入職
  • 1998年
    千葉西総合病院 心臓血管外科部長 就任
  • 2013年
    イムス葛飾ハートセンター 心臓血管外科部長 就任
  • 2014年
    医療法人社団誠高会 おおたかの森病院 心臓血管外科部長 就任

患者さんが最短で適切な治療を受けられる態勢を構築

患者さんが最短で適切な治療を受けられる態勢を構築

 私は2014年に当院に入職しましたが、以前勤務していた病院には当院の循環器内科から多くの患者さんの相談や紹介があり、その縁で声をかけていただきました。現在、心筋梗塞については柏市内の3病院「柏ハートネット」というネットワークを構築しており、当院も参加しています。しかし、手を挙げた当時、当院には循環器内科しかなく、手術が必要な場合には受け入れが困難な状況でした。当科が新設されたことで、救急搬送を受けた場合にも、心血管カテーテルが必要な患者さんから、緊急で外科的手術が必要な患者さんまで、あらゆる循環器の救急患者さんに対応できるようになりました。
 特に大動脈疾患は施設格差も大きいのが現状ですが、当院であれば、大動脈瘤の予定手術から急性解離、瘤破裂などの症例にも対応できます。実際、これらの症例については、多くの施設に事情を聞くと医師の手術経験が少なくリスクが高いなどの理由から、応需要請を受けても受け入れができない場合があるといいます。
 また、手術が可能な施設であっても、手術室に空きがない、夜間でスタッフが集まりにくいなどの理由で緊急手術ができないこともあると思います。そんな場合に頼ってもらえる施設でありたいと考え、現在、各施設の救急外来ならびに循環器科の医師などにも連絡し、周知をはかっています。
 もちろん、手術中に受け入れ要請が入ることもありますが、その場合でもただ拒否をするのではなく、心臓血管外科医同士のネットワークを使い、受け入れ可能な施設を確保したうえで、その施設に搬送してもらうという態勢を取っています。重要なのは、患者さんが最短で確実に治療を受けられる病院に搬送することであり、その役割を担うことも医師として重要な役割だと考えています。

循環器内科との協働で医師としてのやりがいを実感

 この地域の救急医療を担うという院長の方針に共感し、私自身もできる限り尽力していきたいと思っています。当院では、他職種含め、同じ考えのもとで働くことができるため、非常にやりやすさを感じています。一言で言えば、居心地がいいということでしょうか。
 当院は循環器の救急搬送実績が多く、私の実績を知る医師からの紹介もありますし、なかには、他施設の心臓血管外科から大動脈瘤破裂などの症例が送られてくることもあります。当科が開設されて8か月が経過しましたが、心臓・胸部大動脈の手術だけで73件、腹部大動脈手術20件の実績があります。
 循環器内科の医師も心臓血管外科医を頼りにしてくれていますので、そのなかで仕事ができる喜びも感じられると思います。そういったことに生きがい、やりがいを感じられる医師であれば、非常に働きやすい環境ではないでしょうか。
 また、冬場に増加する急性解離の緊急手術などに対しても、どのような準備が必要で、どのように手術を進めるかなどを現場で見て学ぶことができます。たとえば術中トラブルへの対処などは、教科書や学会などでは教えてくれません。それを実際に見て学び、実践することができます。
 循環器内科と心臓血管外科は飛行機の両翼であり、片方だけではきちんとした医療を提供することはできません。若い医師のなかには救急要請があっても上司から受け入れができないと言われ、悔しい思いをした経験がある人もいるかと思いますが、当院にはいつでも受け入れが可能な態勢が整っています。

情熱を持ったスタッフとともにレベルの高い治療を

情熱を持ったスタッフとともにレベルの高い治療を

 当院には、情熱を持ったスタッフが揃っていますので、非常にやりがいがありますし、スタッフのレベル、チーム力も非常に高いと思います。
 私自身は、市原のチームでは助けられないという理由で、目の前で患者さんが自分の前を通り過ぎ、別の施設の医師に手術を依頼されたという若い頃に味わった悔しい経験が最大のモチベーションとなっています。また、自分の手で患者さんを助け、チームの皆と喜びを分かち合いたいという思いも強く持っています。精神的にも体力的にもきついことはありますが、そんなときこそ力を振り絞っています。また、心臓血管外科領域は画像診断でどこに異常があるかがわかりやすいので、それが自分の性に合っているというのもあると思います。治療に没頭することができますので、まさに好きなことを仕事にしているという感じでしょうか。
 他の医師に同じことを求めるのは難しいかもしれませんが、外科医として患者さんを目の前にして治療ができること、治療を終えた後で「よかったね」と言えること。単純かもしれませんが、それこそが醍醐味なのだと思います。そう言えるようになるためには、がんばらなければならない時期があるでしょう。その機会を与えるのが病院であり、指導者の役割だと考えています。
 当院は、「柏ハートネット」に参加していることもあり、多くの循環器内科、あるいは心臓血管外科の患者さんの受け入れを行っていますので、その点では若い医師に活躍してもらえると思います。

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※2015年9月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございますので、予めご了承ください。

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