脳神経内科医師 竹丸 誠 写真

血管内治療を担える脳神経内科医に成長したい

社会医療法人 祥和会 脳神経センター 大田記念病院

脳神経内科医師
竹丸 誠

  • 2006年 
    熊本大学医学部卒、大分県立病院入職
  • 2008年 
    大分大学医学部附属病院 神経内科医員
  • 2008年 
    国家公務員共済組合連合会 新別府病院入職
  • 2009年 
    湯布院厚生年金病院入職
    (現・独立行政法人地域医療機能推進機構 湯布院病院)
  • 2009年 
    大分大学医学部附属病院 神経内科医員
  • 2014年 
    大分大学医学部附属病院 神経内科助教
  • 2015年 
    社会医療法人祥和会 脳神経センター大田記念病院 入職 

※日本神経学会認定 神経内科専門医、日本内科学会 認定内科医

脳卒中の血管内治療を学んでいます

脳卒中の血管内治療を学んでいます

 脳卒中の血管内治療を学ぶため、大田記念病院へ入職しました。
 脳卒中は死亡率こそ下がったものの、発症する人数自体が多いですし、私が担当した若い患者さんが重い後遺症のため寝たきりになったこともありました。近年ではt-PAの登場で治療成績は向上しましたが、それでも限界を感じることも多かったですね。特に重大な後遺症が出やすい太い血管が詰まった時には、t-PAで溶かしきれずに助けられなかった方もいて、悔しい思いをしていました。
 t-PAに続く次の一手はないものか。ずっと探していた時に知ったのが血管内治療です。従来なら治癒の見込みが厳しいと思われた状況でも、劇的に改善されるケースが出てきました。これこそ今後の脳卒中治療の中心になるのではないか。次第にそう思うようになりました。
 「ぜひ大田記念病院で学びたい」と思ったのは、まず脳卒中において圧倒的な症例数を誇る病院であり、血管内治療でも先端的な取り組みを行っていたからです。さらに、当院に勤務経験のあった同僚の医師もいたので体験談を聞いたところ、彼の学んできた環境や得られた成功体験がとても魅力的に感じられました。そこで大学に希望を伝えたところOKが出て、2015年の4月に入職できたんです。働き始めてまだ5ヵ月ですが、今は勤務時間の半分は神経内科医として外来や救急で診断治療を担当。残りの半分を検査・治療の助手という形で血管内治療の知識・技術習得に費やしています。

目指すは、3年後の脳血管内治療専門医

 圧倒的な症例数のおかげで、すごいペースで経験を積ませていただいています。患者さん10名のうち1名か2名くらいしか担当できない病院が多いと聞きますが、当院では、ほぼ全例に呼んでいただいています。血管内治療の学習も進んでいますね。カテーテル血管造影などの検査では、助手という立場ながら、すでに約100件近くを担当してきました。治療でも、くも膜下出血での動脈瘤で20件弱、硬膜動静脈路で6件など、経験を積ませていただいています。
 私の感覚では、もうダメなんじゃないか、重い後遺症を覚悟せざるを得ないんじゃないか、そう思ったのに、無症状で歩いて帰っていった患者さんを、わずか5ヵ月で3~4名は見てきました。本当に素晴らしいと思いましたし、その技術を学べていることに、やりがいを感じています。
 今後はまず検査がしっかりできるレベルを目指し、さらに血管内治療の中でも血行再建術をマスターしたいと考えています。この術式に該当する症例は1分1秒を争う世界。神経内科医が最初に患者さんの診断治療にあたるケースが多いので、そのまま治療を行えることが理想なんですよ。血行再建術はこれまでに助手として10例以上に参加し、入職4ヵ月で1例を担当させていただきました。さらに将来は、動脈瘤のコイリングなど幅広い治療をマスターして、入職3年をめどに脳血管内治療専門医をとることが今の目標です。

科を越えた相談・指導は、本当にありがたいです。

科を越えた相談・指導は、本当にありがたいです。

 血管内治療では、脳神経外科の先生にカテーテル治療を、放射線科の先生には検査全般を、丁寧・親切に指導していただいています。科と科の垣根がとにかく低くて、他科の先生が気軽に教えてくれるし、治療や診断に参加させてくれるのは、思った以上のレベルでした。今までは下調べや準備をきっちりやって、いよいよ他科に相談という状況になったら書面にまとめて依頼するのが普通だと思っていましたが、当院では違います。医局や廊下での通りすがりに「今ちょっといいですか?」と声をかけたら、時間さえ空いていれば、きちんとした回答が返ってきます。患者さんは高齢の方も多いので、脳神経疾患をカバーしただけでは対応ができないことも多いですから、この風土には本当に助けられています。
 医師の教育という観点では、血管内治療専門医をはじめとして、さまざまな分野で若手医師を受け入れる後期研修プラグラムがあります。医師ごとに目指すものは違いますが、それぞれの希望にあわせて柔軟に体制が組まれ、技術・知識の習得に集中できるようサポートが行われています。私の場合は、普通なら外来を週2~3日やるところを週1回程度に減らしてもらい、血管内治療の勉強の時間を作っていただいているおかげで学習のスピードが上がっています。また、指導担当の皆さんは、情熱をもって丁寧に教えてくださっています。院内の仕組みも人も、最高の環境が与えられていることに感謝をしています。

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※2015年9月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございますので、予めご了承ください。

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