医師 Y・M 写真

一人ひとりと向き合い、適切な精神療法を導く

社会医療法人 寿栄会 ありまこうげんホスピタル

医師
Y・M

  • 2012年
    神戸大学卒業
  • 2014年
    ありまこうげんホスピタル(旧名:有馬高原病院) 入職

患者さんの背景を考えることが治療の第一歩

患者さんの背景を考えることが治療の第一歩

 当院に入院される患者さんで多い疾患は統合失調症とうつ病です。その他の疾患も含め、入院された患者さんには内服による薬物療法だけでなく、患者さんごとに適切な精神療法を行っていきます。入院の適応は食事や睡眠をとることができないなど、日常の基本的な生活に支障が出ている場合、それから治療の必要性はあるものの患者さん自身ではその必要性が理解できない場合や、症状が著しく不安定で自傷他害の恐れがある場合などがあります。
 ほとんどの患者さんが一定期間、精神療法や薬物療法を行うことで症状がよくなります。精神科の治療で重要なことは、症状を把握するだけではなく、症状の原因や生育歴、生活背景を知ることです。家庭環境や仕事、人間関係など患者さんごとにストレス要因は異なるため、診察を重ねながらそれを特定していきます。また、「今の治療でどのような効果があるのか」「次にできることは何があるのか」ということを常に念頭に置きながら治療を行っています。
 退院後、自宅や地域社会で生活していく際にもっとも身近で寄り添うのはご家族ですから、ご家族にも症状や悪化に繋がるストレス要因について深く理解していただくことが大切です。入院中にどれだけ患者さんの状態が改善しても、生活環境が以前のままでは再発を繰り返すことに成りかねないですからね。

患者さんが社会復帰されたときが一番嬉しい

 統合失調症やうつ病のほかにも、認知症、神経症、発達障害などさまざまな疾患の患者さんが入院されています。総合失調症は国籍や年齢に関わらず一定の割合で発症する精神疾患で、原因はいまだ解明されていません、近年では治療薬の進化もあり薬物療法が奏功することも多いですが、患者さんごとに生活背景が異なることを考えた適切な精神療法が重要になります。ほかにも神経症や発達障害などの疾患をベースに有した患者さんがうつ病態となり入院されることも増えてきています。一見するとうつ病と混同しがちですが、診療や心理検査などで鑑別し、うつ病態に至った環境や人間関係などのストレス要因を突き止めることが有効な治療です。
 つまり、一口に精神科と言っても疾患やその時の症状、性格に応じて治療法を考えていく必要があり、私たち医師は医学的な知識や経験だけではなく、幅広い知見やさまざまな視点を持っていなければなりません。薬物療法だけではなかなか症状が改善しない患者さんと向き合い、試行錯誤を重ね、さまざまなアプローチを経て少しずつ効果が現れた時に大きなやりがいを感じます。患者さんが社会復帰を果たされた時が、一番うれしいです。

「人」に対して優しい職場だと思います

「人」に対して優しい職場だと思います

 私がありまこうげんホスピタルに入職した理由の一つは、精神保健指定医の資格を取得するためでした。実際に働き始めて、さまざまな疾患の患者さんと向き合い、指導医の先生からアドバイスしていただくことで、知識や経験を積み重ねることができることを実感しています。実際に当院で研修した後期研修医は100%精神保健指定医の資格を取得していますし、取得後も働き続けている医師が多いです。医局はベテラン、若手の垣根なく医師同士のコミュニケーションが取りやすく、気軽に質問できる雰囲気です。
 また、長期休暇や有給休暇の取得率が高いのも特徴。精神科医という仕事は知らず知らずのうちに自分自身にもストレスがたまっているという側面があるので、きちんと休暇をとってリフレッシュすることで、より質の高い治療ができるという考え方に基づいているのだと思います。
 病院全体としては看護師やケースワーカーといった他職種とも連携が取りやすいため、チーム医療に取り組み、助け合う風土が根付いています。院内をひと回りするだけで、職種関係なく笑顔で声をかけ合い、仕事に取り組む姿が見られます。患者さんだけではなく、職員に対しても配慮のある、「人」に対して優しい病院だと思います。

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※2015年9月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございますので、予めご了承ください。

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