以前は総合病院で麻酔医として勤務していました。入院日数の短縮化が進む中、ますます時間に追われ、救急要請があれば夜間や休日でも対応。激務の中で、もっと別の医療、患者さん一人ひとりとしっかり向き合うような医療に関わりたいという思いが募りました。
そんな思いに応えてくれたのが、ここ筑紫南ヶ丘病院でした。現在は内科医として外来、入院患者のケア、訪問診療を担当。外来は週2~3回、午前か午後のみ。それ以外の時間は、入院患者さんやご家族とじっくりコミュニケーションを深めることができます。週2回の訪問診療では、併設の老人ホームへ。「先生、待っていたんですよ」と笑顔を見せる入所者さんと会話をしながら診察。何らかの異常に気づいたら、確定診断とまではいかなくても、ある程度までの診断を下し、初期治療に対処する必要があります。「褥瘡は、自分は知らない」というわけにはいきません。
まだ入職して1年ですが、こうした経験を重ねるごとに、医師としてのスキルが大きく広がっていることを実感しています。いわば、広く確実に。そこに高齢者医療の醍醐味があると思います。初期診断を担う役割も大きいし、終末医療に携わる部分も、同じくらい比重が大きいですね。
急性期医療には急性期ならではの達成感、一方、高齢者医療にはジェネラリストを目指す手ごたえがあります。日々着実に、後者の可能性に惹かれていく自分がいます。