宇治武田病院 副部長 戸田 晋 写真

患者さんの思いと未来を背負う意識を大切に

宇治武田病院

宇治武田病院 部長
戸田 晋

  • 1997年
    名古屋市立大学医学部 卒業
  • 1997年
    名古屋第二赤十字病院 研修医
  • 2000年
    名古屋市立大学病院 第3内科臨床研究医
  • 2005年
    市立四日市病院 腎臓内科副医長 就任
  • 2009年
    名古屋大学医学部附属病院 腎臓内科
  • 2012年
    宇治武田病院 腎臓内科医長 就任(2014年 副部長)

このまま仕事一色でいいのか、と自問した

このまま仕事一色でいいのか、と自問した

 大学病院や地方都市の基幹病院で働いていた頃は毎日が忙しく、週末も学会や勉強会のために外出していて家にいる時間がほとんどありませんでした。技術を磨いたり、知識を得たりする環境としては申し分ありませんでしたが、40歳を過ぎて体力的にも不安を感じはじめ、このまま仕事一色でいいのだろうか?退職したら自分には何が残るのだろうか?と考えるようになったのです。ちょうど子どもが進路を決める時期で家庭ときちんと向き合いたいという思いもあり、私生活とのバランスを取りながら働ける職場に、と当院への転職を決めました。
 腎不全、腎炎・ネフローゼ症候群、高血圧や糖尿病による腎障害など、腎臓に関するすべての疾患を対象とした専門外来と入院患者さんの診療に加え、透析患者さんの管理が私の仕事です。今や成人の8人に1人が慢性腎臓病を患っていると言われていますが、そのわりに専門医は少なく、圧倒的に手が足りていない状況。3年前、私が転職してきたときには京都南部に腎臓内科の専門医がいませんでした。現在、当院の透析センターには100名以上の患者さんが通われているので、一人で管理するのは大変。シャント手術は同グループの病院や地域の病院の先生方にお願いし、院内のリハビリ施設で他科の先生に経過をみてもらうなど、周りと連携を取って一人で負担を抱えないように心がけています。専門医としてのジレンマはありますが、患者さんをより良い方向へ導くためには役割分担も必要なのだとここへ来て学びました。

自分の体が管理できてこそ良い医療ができる

 患者さんと接するにあたって大切なのは、ご本人やご家族とたくさん話をして理解を得たうえで治療方針を決定し、進めること。「調子が良くなった」と患者さんが喜んでいる顔を見ると、日ごろの頑張りが報われた気分になりますね。慢性疾患は患者さんにとって長い期間付き合っていかなくてはならないものですから、多くの患者さんの未来を担っているという責任感を持ち、自分の体調も含めてしっかりと管理できる医師でありたいと思っています。
 この分野の透析や移植といった治療法には近年大きな変化はないのですが、技術は年々洗練されていて小さな動きや発展は常にあります。そうした世の中の流れは資料を読むだけでは掴めませんので、学会や研究会、講演会などから今の自分に必要だと思うものを選んで参加し、意識して新しい情報を仕入れるように努めています。だからと言ってこれまでのように終業後や休日も勉強三昧ということはなく、終業後は仕事を必要以上に引きずらない、土曜の休みは研究のために使うなど、メリハリをつけて勉強しています。当院の整形外科には府立医大から非常勤医師が派遣され、専門性の高い手術も行っていることから、その後の回復に向けたリハビリテーションにも力を入れています。腎臓疾患にとっても運動療法は肉体的、精神的にも推奨されてきていますので、理学・作業療法士を含めたチーム医療でスムーズな診療が行えるよう、さらにシステムを整えていきます。

頑張りと成果がきちんと認められる年俸制

頑張りと成果がきちんと認められる年俸制

 仕事は定時内で納めて残業は必要最低限に、というのが当院の院長の方針。休暇のシステムと、オンとオフの切り替えがしっかりとしているので、この職場に来てから家族と過ごす時間が増えました。オンコール体制ではなく呼び出しの頻度も低いため、休みの日には家でのんびりしたり、家族と外出したりと、ゆっくり休むことができています。有給休暇は消化できなかったぶんを翌年に持ち越せるのも嬉しい。条件が揃っていて業務に支障をきたさなければ、きっちりと休める職場だと思います。また、医師は業績評価を踏まえた年俸制ですので、一生懸命働いたことをしっかりと評価してもらえます。のんびり働いていてはいけないなという自戒にもなり、労働意欲が湧きますよ。
 職員の数はそこまで多くありませんが、そのぶん話が通りやすく、外来や入院病棟、透析室など各所のスタッフとの意思疎通を図ることができるのが強み。病院全体が一つとなって患者さんやご家族をサポートしている感覚がありますね。今はまだ同科の医師はおりませんが、一緒に働ける医師が現れたら、自分が得てきた知識や技術をしっかりと共有し、繋げていきたいです。地域で数少ない腎臓内科医として患者さんに必要とされているという存在意義を噛みしめながら、これからも全力を尽くします。

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※2015年9月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございますので、予めご了承ください。

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