理事長 山口 高秀 写真

疾患や環境で区切らない百人百様の在宅医療

医療法人 おひさま会

理事長
山口 高秀

  • 1999年
    大阪大学 医学部 卒業
  • 1999年
    大阪大学医学部付属病院 特殊救急部・第一外科
  • 2000年
    西宮市立中央病院 外科
  • 2002年
    大阪府立急性期・総合医療センター 救急診療科
  • 2006年
    医療法人おひさま会 やまぐちクリニック 院長 のち理事長就任
  • 2011年
    Globis経営大学院 経営学修士(MBA)

救急医療と在宅医療は対極のようで似ている

救急医療と在宅医療は対極のようで似ている

 おひさま会やまぐちクリニックを開業したのは、在宅医療が厚生労働省によって認められ、制度化された2006年。私はそれまで救急医療の医師として働いていたのですが、救命した人たちは何かしら障がいが残った状態で生活を続けなければならないケースが多く、そういった患者さんの退院後を支えたい、という気持ちで在宅療養支援診療所を立ち上げました。在宅医療は、患者さんの疾患によって区切られるものではありません。患者さんの体の問題点を挙げて整理し、その人の生活にとって何が大切かを考えながら優先順位をつけ、その中で最も効果があって患者さんの負担にならない治療を選んで実行する。在宅医療では必ずしも“治す”ことはできませんが、実はこの流れは救急医療と同じ。さらに、専門医と連携を取って知識を補いながら患者さんにできることをコーディネートするという部分も同じで、救急医療と在宅医療は両極端なようでとても似ているのです。だからこそ、疾患や重軽症に関わらず、在宅医療の依頼があればすべて引き受けます。
 さらに、患者さんへのサービスを良いものにするには、職員の労働環境や組織内の関係性はとても重要。医師の生活スタイルや要望に合わせて環境を作っていくのが私のスタイルです。テクニカルスキルを磨くだけでなく、組織で働くために必要な心得や経営についての知識など、ノンテクニカルな部分を勉強する機会を全職員に対して設けています。

コミュニケーションを大切にして志を一つに

「NO」は言わない
 在宅医療にもいろんなスタイルがありますが、我々おひさま会は療養の場所も病態も問いません。自宅はもちろん、特養や有料老人ホーム、高齢者住宅、ときには修道院などにも往診に行きます。ガン患者もいれば認知症、神経難病、心不全など、疾患もさまざま。物理的に不可能でない限り、「診に来てほしい」という声に「NO」とは言いません。そのぶん幅広い知識が必要となりますが、医師一人ひとりの得意な分野もしっかりと生かされます。開業当初からその姿勢は変わらずやってきました。

組織としての連携
 24時間体制で、専任の事務スタッフが常駐。病院探しや看護士、ケアマネージャーへの連絡・指示、書類作りといった連携業務はすべて行いサポートしてくれるので、医師は医療に専念することができます。また、患者さんやご家族の意向、各訪問看護ステーションの状況、施設の対応なども把握し、橋渡しの役割を担ってくれます。一般的に、チームで行う医療は人数が増えるほど患者さんの想いや連携先のスタッフの考えが共有しづらくなりますが、パイプ役のスタッフがいることで新しく入った医師もスムーズに情報が把握でき、同じ志で医療サービスを行うことができます。

働き方はあなた次第!
 気象警報が出た時の定期訪問はどうするか、その際の連絡は誰が行うか――。そのように運用に問題や課題が出てきたら、その都度スタッフ全員で協議をします。労働環境も同じく、土曜日だけ働きたい、夜の当直はできない、逆に夜間の当番だけ引き受けたい、といったいろんな勤務スタイルの医師が互いに協働して、それぞれの働き方を尊重できるチームになりたいと考えています。当院で数年勤務して勉強したのち、独立開業したケースも少なくありません。「こんな風に働きたい」とお持ちのイメージを相談していただければ、そのプランに合わせた環境づくりに努めます。

時代に合った進化ができる組織を目指して

時代に合った進化ができる組織を目指して

 「住み慣れた場所で最期の瞬間を迎えたい」、「病院へ行かずとも病気を悪化させず穏やかに日常を過ごしたい」。在宅医療で求められることは、高齢化が急速に進む現在、国全体の課題ともなっています。その課題において医師ができることは何か、どう応えていくかを考え、進化しながら日本の医療に貢献できる組織でありたい。そのためには在宅医療だけにこだわる必要はなく、将来的に外来をやりたい、難病専門の施設を作りたい、健康外来を開業したいなど、いろんなプランやこだわりを持った医師に集ってほしいと思います。
 医師になりたての若い人から、子育てとの両立を目指す医師、専門分野を持つ中堅医師、定年を迎えた後のベテラン医師まで、年齢や経験は問いません。日本在宅医学会専門医の指定施設になっているので、入職してから資格を取得することもできます。現場への同行見学も行っていますので、まずは我々がどんな在宅医療を行っているかを実際に見に来てください。

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※2015年9月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございますので、予めご了承ください。

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