昨年度、会計基準が変わったために初の赤字となりましたが、十日町病院は、それまで開業以来ずっと黒字経営を続けてきました。十日町市、津南町、長野県栄村、合わせて約840平方kmをカバーし、救急・急性期医療を中心に行う地域中核病院として、地域に強く必要とされてきた結果が健全経営につながっていると考えています。
医師は現在27名で、長く働き続ける医師が多いのが特徴です。全員が前向きに働ける環境が整っているからだと自負しています。例えば、外科には7名の医師がおり、2大学の出身者が交ざっていますが、実に仲良く運営している。それというのも、普段から互いに仲間として助け合う関係ができているからです。十日町市は豪雪地帯で、冬の夜は自動車が満足に走れないことがある。必然的に、ほとんどの医師が病院から徒歩圏内に住み、救急時には大雪のなかを長靴で歩いて診に来るのです。そうした日々を経るなかで、自然と連帯感が育まれていきます。ほとんどの救急車を断らず、年間2000台ほどを受け入れられるのも、こうした医師同士の密接な関係がベースにあるからです。
現在は新たな外来棟、入院棟を建設中で、それに合わせて総合診療科などを新設予定です。当院で働く医師は着実に増え続けていますが、それでも必要数に対しては不足しており、今後に向けて新たな力を求めています。