2016年4月開院予定の「座間総合病院」は、神奈川県央の座間市、綾瀬市における救急医療の充実を目的としています。現在の座間市は救急搬送の市外割合が7割から8割と、救急医療への対応が非常に手薄な状況。新病院の開設によって、座間市内で8割程度まで搬送割合をカバーするのが目標です。この位置付けは座間市が米軍キャンプ返還跡地に病院を誘致する条件ですから、それに当医療法人が応えて開院準備を進めています。私も開院に合わせ、座間総合病院の院長として海老名総合病院から移る予定です。
座間総合病院の大きな特色は総合診療科を中核に据えた診療体制。外来のあらゆる疾患のファーストタッチを総合診療科が担い、そこで治療まで完結できるケースも多くなるでしょう。もちろん必要な場合は専門的な診療科、他の医療機関に送るよう手配します。現在、同じ医療法人の海老名総合病院もこれに近い診療体制ですが、座間総合病院が救急や一般外来を受け持つことで、海老名総合病院はより高度な救急医療にシフトする予定。両院が役割を分担し、かつ密接に連携しながら、座間市の救急医療の充実を図っていきます。
救急医療では「頭が痛い」「○○から出血」など症状は顕著ですが、そこにどのような疾患が隠れているのか分かりません。決して見落とせない疾患も含め、さまざまな可能性を念頭に置いて診療する総合診療科は、救急医療でも大いに力を発揮するでしょう。一般外来の患者さんも、「初診時は何科にかかればよいか分からない」と悩まず総合診療科に来ていただけばいいのですから、利用しやすい病院になるはず。もちろん地域の医療機関とも協力し、座間市のよりよい医療環境に貢献したいと考えています。