そもそも、当院が立地する場所には、茅ヶ崎徳洲会総合病院という名称の総合病院がありました。しかし、施設の老朽化に伴って神奈川県藤沢市に移転・新設し、2012年10月に医療法人徳洲会湘南藤沢徳洲会病院として生まれ変わったのです。ただ、そうなると、茅ヶ崎市としては病院が減り、需要に応えられなくなってしまいます。そこで跡地に新生・茅ヶ崎徳洲会病院をオープン(2015年5月)することになりました。年中無休、24時間フルオープンの救急医療を提供し、患者が安心して生命を預けられる病院を目指しています。
この茅ヶ崎の土地に新病院を作るに当たって、地元の医療ニーズを考えたとき、在宅医療に力を入れていく方針を定めました。地域の医療機関と密接に提携することで、この湘南の地で「ゆりかごから墓場まで」完結するような医療を実践していきたいと思っています。在宅医療については旧茅ヶ崎徳洲会総合病院から引き継いだ患者も多く、すでに600件以上を訪問しています。
また、当院は基本方針の一つとして、「医師が適切な情報提供を行い、患者やそのご家族に治療についての決定権を持っていただく」ことを大切にしています。例えば、茅ヶ崎市では、胃瘻を造設している在宅の患者は非常に少ない現状です。医師が胃瘻のメリットとデメリットを詳しく説明し、どうしていきたいかを患者とご家族に決めていただいた結果、そういう選択をしたケースが多かったということです。「食べられなくなったから胃瘻を入れましょう」と医師が決定するのではなく、様々な選択肢を丁寧に説明していくことを重視しているのです。