理事長 蒲池 真澄 写真

実験的でない最新の医療を届けるために

社会医療法人財団池友会 福岡和白病院

理事長
蒲池 真澄

  • 1963年
    九州大学医学部卒業後、東京・虎ノ門病院でインターン
  • 1974年
    下関カマチ病院を開設、救急医療の普及に取り組む
  • 1978年
    医療法人財団 池友会を設立
  • 1981年
    小倉・小文字病院を開設(3000坪)
  • 1987年
    福岡和白病院を開設、看護師・ケアなどの人材育成にも着手する

患者は患者である前に、1人の人間である

患者は患者である前に、1人の人間である

 「医師になること以上に、重大な機会が人に与えられ、責任や義務が課せられることはないだろう。病人の治療にあたる医師には、熟練した技術、科学的知識、人間理解が必要である。(中略)医師は、機転、思いやり、分別をそなえている必要がある。なぜなら患者は、症状、徴候、機能障害、損傷した器官、情動障害の単なる寄せ集めではないからである。患者は人間であり、恐怖や希望をもち、苦痛の除去、助力、安心を求めているのだ。」
 ハリソン内科学の一節にある言葉です。私はこの言葉に、医療のあるべき姿が映しだされていると考えます。こうした心がけを持つ医師が集う場として、あらゆる分野の医療を網羅した池友会グループを創設しました。内科、外科、リハビリテーション科、眼科、放射線科、その他を含む27の科が存在し、その多くの施設が各学会の関連施設に指定されています。
 グループの中心である福岡和白病院では、医療搬送用ヘリをはじめ救急医療設備を完備。夜間・休日も平日の8割以上の対応ができるような体制を目指しています。これは、救急医療こそが医療の原則であるという考えを形にしたものです。
 また、患者の命を最優先する心意気として、気安く「最先端」のものを導入しないようにしています。
 発表後、5~10年の間にスタンダードな医療として確立された方法と効果が実証された機器のみを採用し、安全で確実な医療を実現しているのです。

科や役職を越える医師たちのネットワーク

1.垣根のない医局づくり
 福岡和白病院の医局は一部屋のみ。すべての診療科の医師、総勢80名が1つの大部屋に机を並べています。これだけでも珍しいことですが、さらに特徴的なのは異なる科同士を隣り合わせに配置した座席。医師同士が科の枠組みを越え、治療についていつでも相談し合えるように、との工夫です。これは病院の創設以来、ずっと続いています。また、「外科の医師が内科を下に見ている」、「○○大出身者が出世する」といったマイナスの風潮は一切ありません。すべての医師が、互いに尊重し合いながら共に患者と向き合う姿勢を貫いているのです。
2.信頼のおけるスタッフによる、万全なバックアップ体制
 医師同士はもちろん、看護部や事務職のスタッフ、放射線技師、検査技師などと医師との関係が良好なことも自慢の1つです。どの科にもフットワークが軽く、急な依頼にも快く対応してくれるメンバーが揃っています。毎朝7時~7時半までには、採血などのデータがほぼ出揃っており、手術や外来で忙しくなる前に回診をスタートすることが可能です。
3.普段から一人ひとりの医師を気にかけています
 もちろん私も医師の1人であり、院内に張り巡らされた強力なネットワークに繋がる一人でもあります。しかし残念ながら、理事長となった今では手術を執刀することも回診を行うこともありません。一緒に仕事をする機会がない分、医師たちとの関係を深めるには、彼らの声や動向にしっかりとアンテナを張り、こちらから積極的に関わりをもつ必要があります。廊下ですれ違ったとき、元気がなければ飲みに誘いますし、「よく頑張っているな」と思う人にステーキ肉をプレゼントしたり、たくさん子供が生まれた人におむつをプレゼントすることも。結婚を検討中の医師から相談を受けることも多いです。理事長として、というよりは人生の先輩としての接点のほうが多いかもしれません。

関東エリアでグループ病院の開設を計画中

関東エリアでグループ病院の開設を計画中

 今後10年間の目標には、現在順調な広がりを見せる回復期リハビリテーションのさらなる普及と発展を掲げています。回復期リハビリテーションとは、病気や怪我が原因で要介助状態になった患者を在宅復帰まで支えるサービス。九州沖縄では、人口10万人あたり87床が用意されているのに対し、関東では38床。そこに目をつけ、2015年3月に原宿リハビリテーション病院を設立したばかりです。リハビリの有資格者2000人が所属するこの病院では、すでに4万人以上の新規入院を受け入れています。山手線環内でリハビリを必要としている人口に照らし合わせて考えると、実に90%以上の需要を網羅している計算になります。
 在宅復帰率は86%で、自分の家で暮らしたいという患者さんの希望を高確率で叶えているのです。こうした功績に多くの支持を受ける中、2017年4月には江東リハビリテーション病院をオープンすることが決定しています。

この施設に関するお問い合わせや
転職のご相談を無料で受け付けております。
キャリアアドバイザーに相談する

※2015年9月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございますので、予めご了承ください。

先頭へ戻る