当法人は足立区内に3つの耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニックを有しています。この地域には大学病院や官公立の病院がなく、地元の診療所で十分な治療ができなければ、患者さんは都心の病院に行かなければなりません。
また、この地域には、古くから在住する人、若い子育て世代が混在しています。高齢者はめまいや耳鳴り、難聴、小児は中耳炎などの耳鼻咽喉科領域の病気が多く、当院では日帰り手術やめまいの専門外来など、専門クリニックとしての特徴を活かした治療を提供しています。また、大学病院などでしか行われていなかった小児言語障害に対し、言語聴覚士を積極的に導入し、小児言語外来を開設しています。病診連携をはかることはもちろんですが、できる限り地域のなかで医療を完結できる態勢を整えることが当法人の役割だと考えています。
もちろん、法人としての収益は考えなければなりませんが、収益だけを考えていては地域医療に貢献することはできません。医師、看護師、言語聴覚士など必要な人材は確保し、地域のニーズに応えながら、トータルの収益で考えていくことが重要だと思っています。
治療の方針としては、「治す医療」を実践することです。耳鼻咽喉科領域は慢性疾患も少なくありませんが、治すならばきちんと治す、治らない場合であっても漫然と治療を続けるのではなく、患者さんに対してわかりやすく十分に説明し、納得したうえで通院を続けてもらうことが重要だと考えています。