産婦人科は、産科と婦人科の2つを合わせた領域です。いずれも女性が対象いう共通項を持ちますが、診療科としては「産婦人科」としてまとまっているケース、「産科」「婦人科」がそれぞれ独立しているケースがあります。妊娠・出産、不妊治療などを扱うデリケートな仕事である反面、生命の誕生という神秘的な光景に立ち会える喜びは他科では味わうことができません。一方、産科医はハードワークになることが多く、年収水準は比較的高いものの、担い手の不足が心配されています。
30代では半数(50%)が「1,000万円以上~1,500万円未満」にとどまっており、意外なことにそこまで高い年収水準ではありません。とはいえ、40代では約6割(58%)が「1,500万円以上~2,000万円未満」、50代では実に約8割(83%)が「2,000万円以上」の大台を突破しています。特に産科医の希少性、担っている役割の大きさを考えれば、納得の結果だといえるのではないでしょうか。
サンプル数が比較的多い関東では「1,500万円以上~2,000万円未満」と「2,000万円以上」が拮抗しています。産科医は全国的に不足していますが、とりわけ地方での不足は深刻だとされており、需要と供給の原則から高額の年収を望みやすいといえます。年収を重視する方は、地方での勤務も視野に入れるといいかもしれません。
病院については、200床未満では「2,000万円以上」が最多(67%)、200床以上では「1,500万円以上~2,000万円未満」が最多(57%)で、規模により年収水準の差がみられます。クリニック・その他では「1,500万円以上~2,000万円未満」がボリュームゾーン(39%)ですが、その他の年収帯にもまんべんなく分布している印象です。
男性は半数(50%)が「2,000万円以上」に達していますが、女性のボリュームゾーンは「1,500万円以上~2,000万円未満」(47%)で、多くが「2,000万円以上」には手が届いていません。妊娠・出産、不妊治療などを担う産婦人科医は人類の存続に関わる貴重な存在であるともいえ、男性だけでなく女性も含めて働きやすい環境を整え、その能力をいかんなく発揮できるようになることが望まれます。
産婦人科で働く医師の希望年収は、「1,500万円以上~2,000万円未満」が最も多く(38%)、次いで「1,000万円以上~1,500万円未満」(32%)、「2,000万円以上」(27%)の順となっています。
第1~3位までがおおむね拮抗しており、しかも3人に1人が「1,000万円以上~1,500万円未満」でかまわないと考えているというのは、産婦人科医の仕事の大変さからすればやや意外にも思えます。ただし、産科医と婦人科医を合わせたデータであることには留意が必要だといえます。
※ご相談は無料です
科目によって異なる医師の年収事情について、アンケートを実施し現状を調査しました。