循環器内科は、主に心臓や血管に関連する疾患を扱う診療科です。主な対象疾患としては、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、高血圧、動脈硬化、心不全、不整脈などがあります。生命に関わる疾患が多いことから、早期発見・早期治療がとりわけ重要です。また、生活習慣に起因する疾患が多いため、薬物療法が正しく進められるよう指導するとともに、日ごろの生活指導も抜かりなく行う必要があります。特に緊急治療や重症患者管理を担う循環器内科医は多忙になりがちなので、年収だけでなくワークライフバランスのことも考えた方がよいかもしれません。
「1,500万円以上~2,000万円未満」の割合が30代で60%というのも目を引きますが、「2,000万円以上」が40代で43%、50代で71%にもなる点を特筆すべきでしょう。循環器内科は内科系診療科の中で多忙な勤務になることが多いといわれますが、その分、報酬面でも内科系診療科の中で最も高い水準にあります。ただし、今後の働き方改革で受ける影響も大きいと思われます。
地域を問わず全国的に「1,500万円以上~2,000万円未満」の割合が高く、経験を重ねてポジションを上げていくことで、それ以上の年収も積極的に狙っていける環境にあるといえそうです。循環器内科医の人数は関東・関西エリアに集中している現状があるだけに、それ以外の地域で働くことを考えられるなら、よりよい年収を得られる可能性が高くなるでしょう。
施設の種類や規模を問わず、おおむね「1,500万円以上~2,000万円未満」がボリュームゾーンであるものの、200床以上の病院では「2,000万円以上」が50%を占め、200床以下の病院では「2,000万円以上」が11%にとどまる結果となりました。データ上では、病院の規模による年収格差がみられるといえそうです。とはいえ、循環器内科医はどんな職場でも重宝され、比較的恵まれた待遇で迎えられる可能性が高いでしょう。
「1,000万円以上~1,500万円未満」「1,500万円以上~2,000万円未満」「2,000万円以上」のそれぞれの割合は、男性では21%、42%、33%、女性では75%、25%、0%であり、女性は「1,500万円以上~2,000万円未満」の壁をなかなか越えられていないという状況が見えてきます。女性医師でもさらに働きやすく稼ぎやすい環境が実現され、持てる力を大いに発揮できるようになってほしいものです。
循環器内科で働く医師の希望年収は、「1,500万円以上~2,000万円未満」が最も多く(52%)、次いで「1,000万円以上~1,500万円未満」(27%)、「2,000万円以上」(19%)の順となっています。
データにも表れているように、循環器内科は内科系診療科の中で最も高い年収水準にあるといえます。一方で、特にカテーテル治療やCCU(冠疾患集中治療室)を担当する循環器内科医は、やりがいが大きいとはいえ、ハードワークになることも多い現状があります。自身の働きぶりに応じた年収を得られているか、時には一呼吸置いて考えてみてはいかがでしょうか。
※ご相談は無料です
科目によって異なる医師の年収事情について、アンケートを実施し現状を調査しました。