脳外科の年収事情

記事公開日:2024年03月12日

脳外科(脳神経外科)は、脳、脊髄、神経の疾患を扱う診療科です。近年は脳神経内科(神経内科)と合わせて「脳神経センター」を設置する医療機関もあります。特に脳血管障害、脳腫瘍、脳挫傷など脳に関する疾患・外傷は生命や予後に大きく影響するだけに、脳外科医の肩にかかる期待と責任は非常に重いといえるでしょう。対象疾患が緊急対応を必要とするものが多いため、脳外科医はハードワークになりがちだといえますが、その代わりに年収水準が高い診療科の一つともされています。実際のところはどうなのか、データをもとに見ていきましょう。

脳外科で働く医師の年収事情を紹介

年代毎の年収事情――若手の頃から年収水準が上がりやすい

「1,500万円以上~2,000万円未満」が30代で80%に達し、それ以降も40代で71%、50代で75%と高い割合になっています。また、「2,000万円以上」も40代から出てきて、それ以降60代以上に至るまで約30%の割合を保っています。若手の頃から年収水準が上がりやすく、それ以降も高水準で推移する、ある種理想的なカーブを描いている結果だといえそうです。

地域別の年収事情(常勤)――北海道・東北と関東で高水準

「1,500万円以上~2,000万円未満」の割合が北海道・東北で100%、関東で85%と高水準です。特に、サンプル数が多い関東において年収水準が高いことはよい傾向だといえます。一方、関西や中部ではそれ以下の年収帯を含めて分散しています。とはいえ、その中でもしっかり「2,000万円以上」のデータがあることには注目すべきでしょう。

医療施設毎の年収事情(常勤)――クリニックの5割が「2,000万円以上」

病院に関しては、200床以上でも200床未満でも「1,500万円以上~2,000万円未満」の割合が86%となっています。ただし、「2,000万円以上」のデータがある分、200床未満の方が年収水準は高いといえるでしょう。クリニック・その他に関しては、「2,000万円以上」の割合が50%で、病院より年収水準が上です。脳血管障害の後遺症や認知症の増加で脳神経外科クリニックの需要が高まっていることも、背景にあるかもしれません。

性別毎の年収事情(常勤)――女性は「1,500万円以上~2,000万円未満」が100%

男性は「1,500万円以上~2,000万円未満」がボリュームゾーン(65%)で、「2,000万円以上」も決して低くない割合(25%)です。女性はサンプル数こそ少ないものの、「1,500万円以上~2,000万円未満」が100%となっており、「2,000万円以上」が存在しないとはいえ、十分注目に値する結果だといえそうです。

脳外科で働く医師の希望年収(常勤)

脳外科で働く医師の希望年収は、「1,500万円以上~2,000万円未満」が最も多く(49%)、次いで「2,000万円以上」(32%)、「1,000万円以上~1,500万円未満」(17%)の順となっています。

他の診療科と比べても「2,000万円以上」を希望する割合が高めとなっていることが特徴的です。ハードな環境で卓越した技術を発揮する仕事であるだけに、そうした希望は十分に納得できるものでしょう。クリニック需要の高さもあり、「2,000万円以上」を目指すなら開業も視野に入れた方がよいのかもしれません。


※2023年6月 自社調べ

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