一般的に医師は年収が高いといわれていますが、診療科目や年代、地域などによって異なり、なかなか正確に把握するのは難しいものです。
この記事では診療科目ごとに様々な切り口でご年収事情をご確認いただけます。アンケートにお答えいただいた医師の生の声をご覧ください。
一般内科で働く医師の年収は、段階的に年収も上がっていく傾向にあるようです。ただし、同年代でも国立病院や公的機関などでの年収に関しては他機関と比較して低い場合があり、現在の年収には満足せず、キャリアアップや勤務先のシフトを検討している医師もみられます。
呼吸器科で働く医師の年収は、概ねその額に満足している様子がみられ、特に40代頃の医師たちにその傾向があるようです。とはいえ、中には仕事量や欧米の基準と比較すると物足りないと感じる医師もおり、額面以外での懸念が浮かび上がる結果となっています。
消化器内科で働く医師の年収は、比較的早い段階にある程度の年収を得ている傾向がみられます。その後の上がり幅に満足していないケースなども中にはあり、自身の今後のキャリアに開業等を含めて検討している方もいらっしゃるようです。
循環器内科で働く医師の年収は、研修医時代を除くと比較的高い傾向にあり、医師の満足度も概ね良い結果となっています。また、自身のキャリアについては、比較的高い年収にも関わらず、転職や仕事量を増やすことになどにより、よりアップしていく考えを持っている医師が多くみられます。
腎・泌尿器科で働く医師の年収は、年代が上がるにつれて年収も上がっている結果となっています。勤務形態によって額の差はあるものの、比較的満足度も高い意見が見受けられますが、将来的にさらに年収をアップさせる方法として転職を選択したり、パート・アルバイトにてベースを上げていく考えの医師も多くみられます。
その他の内科で働く医師の年収は、全体として年代を追うごとに高くなる傾向が見られますが、業務量や勤務形態によっては満足できないという医師の意見も見られます。そのケースでは、資格の取得や開業などでベースの年収を上げていくキャリアプラン考えている医師が多いようです。
一般外科で働く医師の年収は、比較的高い傾向にあり、金額的には概ね満足されている方が多いようです。ただし、年収に比例して業務量も増えていくケースもあるため、業務量とのバランスの取り方次第では満足度に影響がでてくることになるでしょう。
整形外科で働く医師の年収は、全体的な年収の傾向と相まって、結果としてあまり満足度の高くない意見が目立つようです。ただし、年収以外の経験などを得られていることを評価する声もあり、年収が自身の希望に達していないケースであっても、必ずしも満足度が低いとは言えない場合もあることがうかがえます。
消化器外科で働く医師の年収は、全体的に現時点での年収にあまり満足していない方が多い結果となっています。満足できない要因として、仕事量や責任に見合っていないという意見がみられます。今後のキャリアプランとして、勤務医としての転職の他に開業など個人での業務を志望する方も一定数いるようです。
美容外科で働く医師の年収は、極めて高いものがあります。ただし、日進月歩の美容医療の技術を学び、患者さんの美意識に基づくニーズに応え、医療機関同士の競争に勝ち抜かなければならない厳しさもあります。美容外科は長らくクリニック中心に発展してきましたが、近年は形成外科に美容外科を併設する病院もみられます。
脳外科で働く医師の年収は、他の診療科と比べても「2,000万円以上」を希望する割合が高めとなっていることが特徴的です。ハードな環境で卓越した技術を発揮する仕事であるだけに、そうした希望は十分に納得できるものでしょう。
心臓外科で働く医師の年収は、年収水準アップのペースが遅いようです。かつてはハードワークぶりがクローズアップされ、心臓外科を敬遠する医師が増えたともいわれますが、今ではワークライフバランスに配慮する職場も増えています。
その他の外科で働く医師の年収は、医師により多少の差が生じてはいるものの、業務量とのバランスが取れていると感じる方が比較的多いようです。ただし、勤務する医療機関によっては働く時間に対して給料が不足していると感じる方もおり、将来的な病院の移動やキャリアアップを検討している医師もいらっしゃいます。
精神科で働く医師の年収は、全体傾向では比較的満足度が高い結果となっているものの、勤務時間との釣り合いなどで自身の希望と合っていないケースがみられるようです。若い世代にその傾向が強くみられ、年代が上がるごとに年収と業務量のバランスが取れてくるという状況がうかがえます。
小児科で働く医師の年収は、満足度は低くないものの、勤務先によって年収に差があると指摘する声もあります。将来的なキャリアプランとしては、現在の勤務先から転職し、より年収の高い病院を目指す方が多いようです。
感覚器・皮膚科で働く医師の年収は若い年代ではあまり高くないの現状があり、アルバイトや自身のスキルアップによってそれを補おうとする医師がその年代では見られています。40代頃からある程度の年収になるケースが多いようです。
産婦人科で働く医師の年収は、比較的高い満足度が見られました。ただし、フルタイムで働けないなど、自身の生活環境や働く時間・雇用形態によっては、転職などによってより良い条件での勤務を探そうという考えも見られました。
麻酔科で働く医師の年収は、比較的満足度の高い額であるという意見が結果から多くみうけられます。その専門性から外勤の引き合いも多いことがうかがえ、その結果年収も上がっている傾向にありますが、さらなる年収アップを見越して、勤務する機関を変える選択を検討しているという意見もみられます。
放射線科で働く医師の年収は、比較的満足度が高いことがアンケート結果から推測できます。働く機関によりその差はあるものの、同年代などと比較してもその差はあまり感じないという意見が多いようです。今後のキャリアプランとして非常勤のアルバイトを行うことでさらなるベースアップを期待するという医師もみうけられます。
病理診断科で働く医師の年収は、ワークライフバランスを確保しやすい反面、年収水準が上がりにくいといわれています。データ上は必ずしも明らかではありませんが、病理診断は経験が物を言う部分も大きく、病理医として年齢を重ねるほど報酬面で評価されやすいことは間違いないでしょう。
眼科で働く医師の年収は、キャリア選択や働き方次第では、より高い年収にも十分に手が届く診療科だといえるでしょう。眼科はワークライフバランスを保ちやすく、女性医師の比率が比較的高い診療科としても知られます。
開業医の年収満足度は概ね高いと想定されます。年収額自体は開業後に下がるケースも多くみうけられますが、働き方とのバランスや精神的な部分での満足度が勝る場合が多いようです。
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