眼科の年収事情

記事公開日:2024年03月12日

眼科は、眼球や眼球周囲組織の疾患に対する外科的・内科的治療を担う診療科です。結膜炎、麦粒腫、ドライアイといった身近なものから、白内障、緑内障、網膜剥離、加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症といった重大なものまで広くカバーします。眼鏡やコンタクトレンズによる視力矯正も眼科医の仕事ですが、近年はレーシック、ICL(眼内レンズ)、オルソケラトロジーといった技術が導入され、新たな地平が切り拓かれています。眼科はワークライフバランスを保ちやすく、女性医師の比率が比較的高い診療科としても知られますが、その年収事情はどうなっているのでしょうか。

眼科で働く医師の年収事情を紹介

年代毎の年収事情――さまざまな年収帯に幅広く分布

30代のボリュームゾーンは「1,500万円以上~2,000万円未満」ですが、それ以外の年収帯にも分布しています。40~50代では「1,000万円以上~1,500万円未満」から「2,000万円以上」までほぼ均等に分布しています。この幅広い年収帯への分布は、かなり特徴的だといえます。

地域別の年収事情(常勤)――北海道・東北で高水準

北海道・東北では「1,500万円以上~2,000万円未満」の割合が67%、「2,000万円以上」の割合が33%と高水準であることが目を引きます。一方、関西や中国・四国では低めの年収帯への分布がみられます。それ以外については、おおむね「1,000万円以上~1,500万円未満」より上の年収帯に幅広く分布しています。

医療施設毎の年収事情(常勤)――「2,000万円以上」を目指すならクリニック開業

病院に関しては、200床未満のボリュームゾーンが「1,000万円以上~1,500万円未満」(67%)、200床以上のボリュームゾーンが「1,500万円以上~2,000万円未満」(60%)となっており、規模が大きい方が年収水準は上です。クリニック・その他に関しては、「1,000万円未満」のデータがあること、それより上の年収帯に均等に分布していることが特徴的です。クリニックはコンタクトレンズの検診をメインにするところから、特殊な治療を提供するところまでさまざまです。

性別毎の年収事情(常勤)――女性の年収水準は男性より低め

男性は「1,500万円以上~2,000万円未満」をボリュームゾーン(45%)として、他の年収帯にも幅広く分布しています。女性は「1,000万円以上~1,500万円未満」がボリュームゾーン(58%)で、全体的な年収水準としては男性より低くなっていますが、「1,500万円以上~2,000万円未満」や「2,000万円以上」のサンプルも一定数みられます。

眼科で働く医師の希望年収(常勤)

眼科で働く医師の希望年収は、「1,000万円以上~1,500万円未満」が最も多く(45%)、次いで「1,500万円以上~2,000万円未満」(36%)、「2,000万円以上」(15%)の順となっています。

「1,000万円以上~1,500万円未満」が第1位となっているのは、女性医師の比率が比較的高いとされる感覚器・皮膚科や小児科と同じ。眼科医はワークライフバランスを重視する傾向が強いようです。しかし、今回の調査結果にも表れているように、キャリア選択や働き方次第では、より高い年収にも十分に手が届く診療科だといえるでしょう。


※2023年6月 自社調べ

関連コンテンツ