麻酔科医がいなければ多くの手術が実施できません。手術が無事に終わるまで患者の全身管理に携わるだけでなく、麻酔中に意識を失っている患者のために、すべての医療行為が適切に行われているかを見守る役割も果たします。麻酔に関わるミスがあれば患者の生命を脅かす危険があるため、麻酔科医には高い専門性が求められます。緊急手術への対応や他科との連携など難しい面もありますが、現代医療に欠かせない存在であることが報酬面にも反映されているといえるでしょう。
30代では「1,000万円以上~1,500万円未満」と「1,500万円以上~2,000万円未満」が拮抗していますが、それ以降の年代では「1,500万円以上~2,000万円未満」がボリュームゾーンとなり、「2,000万円以上」にも手が届くようになります。麻酔科は経験が物を言う領域でもあるため、年代を追うごとに順調に年収水準が上がっているのは当然だといえるでしょう。
最もサンプル数が多い関東では「1,000万円以上~1,500万円未満」と「1,500万円以上~2,000万円未満」が拮抗していますが、他の地域では「1,500万円以上~2,000万円未満」の割合がおおむね最も高く、エリア格差があまりみられない特徴があります。どの地域であっても麻酔科医は欠かせない存在であることが反映された結果だといえるかもしれません。
病院については、200床未満では「1,000万円以上~1,500万円未満」が最多(47%)、200床以上では「1,500万円以上~2,000万円未満」が最多(79%)で、規模により年収水準の差がみられます。クリニック・その他では「1,500万円以上~2,000万円未満」がボリュームゾーン(40%)ですが、その他の年収帯にもまんべんなく分布しています。
男性では「2,000万円以上」が13%おり、女性では0%である点をとらえれば差があるといえますが、それ以下の年収帯では男女で大きな差はみられません。突発的な手術にも対応するため、育児などを中心に担っている場合は常勤で働きやすい環境とは言いにくい面もある麻酔科ですが、それでも年収事情にそこまで大きな男女差がみられないことはポジティブにとらえるべきかもしれません。
麻酔科で働く医師の希望年収は、「1,500万円以上~2,000万円未満」が最も多く(41%)、次いで「1,000万円以上~1,500万円未満」(40%)、「2,000万円以上」(15%)の順となっています。
第1位と第2位が拮抗していますが、「1,000万円以上~1,500万円未満」の割合が思いのほか高い結果となっています。実際に得ている年収に照らせば、希望年収は達成している麻酔科医が多いのではないでしょうか。さらに年収を上げたい方は、非常勤やアルバイトのニーズが高い麻酔科の特徴を生かして稼ぐことも可能です。
※ご相談は無料です
科目によって異なる医師の年収事情について、アンケートを実施し現状を調査しました。