放射線科の年収事情

放射線科は、放射線や核医学を用いた治療、各種装置を用いた画像診断などを担う診療科です。近年は、画像診断の技術を用いた治療(画像下治療:interventional radiology)の発展にも目覚ましいものがあります。放射線科の治療対象は、ともすれば生命の危機を伴う疾患を抱えているため、その心情に寄り添った振る舞いを心がける必要があるでしょう。また、他科の医師や、診療放射線技師をはじめとするコメディカルとの連携も重要になります。ワークライフバランスの観点から、放射線科の人気は上昇傾向だといわれていますが、その年収事情はどうなっているのでしょうか?

放射線科で働く医師の年収事情を紹介

年代毎の年収事情――年収アップのペースが遅め?

30代・40代のいずれも「1,000万円以上~1,500万円未満」の割合が100%となっています。他の診療科のデータに比べると年収水準の上がるペースが遅めで、50代になって1,500万円の壁を突破する方が出てくるという状況です。一般的に、画像診断をメインにする場合は治療をメインにする場合に比べて年収水準が下がるため、キャリア選択にも考慮が必要かもしれません。

地域別の年収事情(常勤)――「2,000万円以上」の回答もあり

「1,000万円以上~1,500万円未満」という回答が多いですが、関東と中国・四国で「1,500万円以上~2,000万円未満」「2,000万円以上」の回答も確認できます。一般的に、医師の年収水準は都市部よりも地方で高くなる傾向があるため、働く上で年収の高さを重視する場合は、地方も視野に入れて職場を探すとよいでしょう。

医療施設毎の年収事情(常勤)――大規模な病院の方が年収水準は上か

「1,000万円以上~1,500万円未満」の割合が病院(200床未満)では100%、クリニック・その他では67%で、ボリュームゾーンとなっています。サンプル数が少ないながらも、病院(200床以上)では「1,500万円以上~2,000万円未満」、クリニック・その他では「2,000万円以上」のデータもみられます。

性別毎の年収事情(常勤)――男女とも「1,000万円以上~1,500万円未満」が最多

男性の場合、「1,000万円以上~1,500万円未満」が67%、「1,500万円以上~2,000万円未満」と「2,000万円以上」が17%ずつという結果で、ここでも「1,000万円以上~1,500万円未満」がボリュームゾーンとなっています。女性の場合、「1,000万円以上~1,500万円未満」が100%となっています。

放射線科で働く医師の希望年収(常勤)

放射線科で働く医師の希望年収は、「1,000万円以上~1,500万円未満」が最も多く(52%)、次いで「1,500万円以上~2,000万円未満」(37%)、「2,000万円以上」(8%)の順となっています。
「1,000万円以上~1,500万円未満」の割合が過半数で、他の診療科に比べて最も高い部類に入ります。このことは、裏を返せば1,500万円の壁を突破することがなかなか難しいことの表れといえるのかもしれません。データで浮き彫りになった年収水準を超えていきたいのであれば、放射線科医としてのキャリアプランをよく考えてみる必要がありそうです。

放射線科で働く医師の年収事例を紹介

年収例1<常勤(週4日以上)のみ・広島県・50代>

研修医時代
800万円~1,000万円未満
20代
1,200万円~1,400万円未満
50代
1,800万円~2,000万円未満
Q1.研修時代~現在に至るまでの年収満足度を教えてください。
市立病院と比べ、民間病院では年収が下がり過ぎると思います。年齢を重ねても給料は減り、責任のみが増えていきます。
Q2. 今後、どのようにキャリアを伸ばし年収を上げていく想定ですか?展望をお聞かせください。
転職を視野に入れ、医局を辞めることです。

年収例2<常勤(週4日以上)のみ・福岡県・50代>

研修医時代
600万円~800万円未満
20代
800万円~1,000万円未満
50代
1,400万円~1,600万円未満
Q1.研修時代~現在に至るまでの年収満足度を教えてください。
高いに越したことはないですが大きな不満はありません。同期のドクターとほぼ同程度です。
Q2. 今後、どのようにキャリアを伸ばし年収を上げていく想定ですか?展望をお聞かせください。
空き時間に非常勤のアルバイトをすることです。

年収例3<常勤(週4日以上)のみ・徳島県・40代>

研修医時代
800万円~1,000万円未満
20代
1,000万円~1,200万円未満
40代
1,200万円~1,400万円未満
Q1.研修時代~現在に至るまでの年収満足度を教えてください。
特に不満に感じたことはありません。
Q2. 今後、どのようにキャリアを伸ばし年収を上げていく想定ですか?展望をお聞かせください。
空いている時間で非常勤勤務を行うことです。

※自社調べ

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