一般外科が担当する範囲は、すべての医療機関で同じとは限らないため、十分な確認が必要です。外科学は消化器外科領域から起こったという歴史的経緯から、「一般外科=消化器外科」であることも少なくありません。一方、けがによる皮膚の縫合など、日常生活の中でよくある比較的重大でないケースの外科治療を提供することもあります。一般外科としてどの範囲をカバーするかに応じて、そこで働く医師の年収も変わってくるでしょう。
30代で半数、40代になれば100%が「1,500万円以上~2,000万円未満」に到達しています。さらに50代・60代になっても、この水準はキープできているという状況です。60代で「2,000万円以上」の割合が40%という点も目を引きます。サンプル数の都合で断言はできないまでも、一般外科医の年収水準は高めの傾向がありそうです。
サンプル数の都合で明確なことは言えませんが、大規模な医療機関が多い関東で「1,500万円以上~2,000万円未満」「2,000万円以上」の数が多くなっています。一般的には医師不足の北海道・東北や中国・四国で年収水準が高くなる傾向にあるので、こうした地域で職場を探すことも一案だといえるでしょう。
200床未満の病院で「1,500万円以上~2,000万円未満」が100%となっており、200床以上の病院に比べて明らかに高い年収水準にあります。クリニック・その他では「2,000万円以上」も望める状況で、小規模な医療機関ほど高い年収水準となっているようです。もっとも、クリニック・その他の回答者には開業医が多く含まれると思われ、経営リスクも抱えていることには留意すべきでしょう。
そもそも外科領域では女性医師が少ない状況が続いており、中でも一般外科はその傾向が強いといえます。したがって、このデータで女性医師の年収傾向を述べることはできません。男性については、約8割(78%)が「1,500万円以上~2,000万円未満」となっており、それ以上をうかがうことも可能です。
一般外科で働く医師の希望年収は、「1,500万円以上~2,000万円未満」が最も多く(55%)、次いで「2,000万円以上」(22%)、「1,000万円以上~1,500万円未満」(21%)の順となっています。
外科系であるだけに年収2,000万円以上を希望する方も少なからずいますが、最も多い希望は「1,500万円以上~2,000万円未満」で、実際に得ている年収と大きな差はないと考えられます。むしろ、年収よりもワークライフバランスをどうにかしたいと考えている方が多いかもしれません。一般外科医の需要はどこにでもあるため、よりよい環境を求めて情報収集を始めてみるのもアリでしょう。
※ご相談は無料です
科目によって異なる医師の年収事情について、アンケートを実施し現状を調査しました。