医師の転職キャリアチェンジ特集

vol.8
医療法人社団誠広会
岐阜中央病院

※「ジャミックジャーナル」は2011年10月号より「ドクターズキャリア マンスリー」にリニューアルされました。  


地元・埼玉県を離れ、岐阜県でPET-CTで病の早期発見に尽くす

PETセンター 医長
金子 揚 氏

岐阜県議会議員 岐阜中央病院 会長
平野 恭弘 氏

Yasuhiro Hirano

1959年旧・岐阜県立医科大学医学部卒。65年産婦人科医 医学博士号取得。70年平野医院開業。80年医療法人社団誠広会設立。83年岐阜中央病院開業。91年岐阜県議会議員に初当選。学校法人誠広学園評議員など、肩書多数。

You Kaneko

2003年岐阜大学医学部卒、同年岐阜大学病院 放射線科にて研修・勤務。05年旧・岐阜県立岐阜病院(現・岐阜県総合医療センター)に勤務。07年7月より現職。専門はPET-CTによる画像診断。

地元・埼玉県を離れ、岐阜県でPET-CTで病の早期発見に尽くす

今回お話頂いた医療施設側

岐阜県議会議員 岐阜中央病院 会長
平野 恭弘 氏Yasuhiro Hirano1959年旧・岐阜県立医科大学医学部卒。65年産婦人科医 医学博士号取得。70年平野医院開業。80年医療法人社団誠広会設立。83年岐阜中央病院開業。91年岐阜県議会議員に初当選。学校法人誠広学園評議員など、肩書多数。

今回お話頂いた医師

PETセンター 医長
金子 揚 氏You Kaneko2003年岐阜大学医学部卒、同年岐阜大学病院 放射線科にて研修・勤務。05年旧・岐阜県立岐阜病院(現・岐阜県総合医療センター)に勤務。07年7月より現職。専門はPET-CTによる画像診断。

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「画像をみただけで、どんな病気か診断ができたらかっこいいなという、単純な理由で放射線科を選びました」

 金子揚氏は、謙虚で控え目な雰囲気だが、画像診断の話をするときには、うれしそうに目を輝かせる。金子氏にとって、放射線診断は自分に自信を与えてくれるものだという。

「もはや生きがいですね。画像診断を取り上げられたら、自分には何も残りません」

 そんな金子氏も、最初から画像診断が得意だったわけではない。放射線科に入局して、画像診断の難しさに直面する。最初の2年間はなにがわからないのかもわからないような状態だったと当時を振り返る。

 金子氏は埼玉県出身。千葉県の市川高等学校を卒業後、岐阜大学医学部に進学。岐阜大学医学部附属病院放射線科に入局し、研修を行った。医師3年目から約2年間にわたって、岐阜県立岐阜病院(現・岐阜県総合医療センター)へと赴任する。岐阜県立岐阜病院は病床600床クラスの大規模な総合病院だ。

「一つひとつの症例を、時間をかけながらでも診断をするうちに、自分でも力がついていくのがわかりました」

 2006年に岐阜県総合医療センターでは、PET‐CTの導入が行われ、その立ち上げに金子氏はかかわった。このときに得た数多くの経験が、のちのキャリアチェンジへとつながる。

東京衛生病院は、無痛分娩を37年以上前から行っており、その技術の高さでもその名が知られている病院だ。

07年に岐阜中央病院でも、PETセンターを立ち上げることとなり、PET認定医をもつ金子氏が、30歳の若さでセンター長へと大抜擢される。

 当初は月に40?50件だった検査件数も、近隣病院の医師からの紹介患者も増え、月に約100件まで増加した。紹介医師の信頼を得るために、スピードと正確性をモットーとする。報告書は、必ず翌日には発送する。さらに急ぐ場合は、ファックスで送る場合もある。これらの細やかな心遣いが、多くの医師から信任を得られる理由だろう。

「様々な病院の医師とつながりがもてるようになったのが嬉しいです」

 依頼病名は、肺がん、悪性リンパ腫、大腸がんが多い。今までは他の検査では診断がつきかねる場合に、最後の手段として使われることが多かったが、最近はがん診療の一つのツールとして認識されつつある。このPET‐CTでも診断に苦慮することも稀ではない。

「岐阜中央病院は、科の垣根が低く、他科の医師と話しやすい環境が良いです。画像所見を直接聞きにくる医師も少なくなく、画像診断が役にたっているんだという実感がもてます」

 勉強を怠ることもない。岐阜大学病院の放射線科カンファレンスへの参加は、毎日欠かさない。学会費の補助なども充実しており、勉強には困らない環境だ。岐阜での生活にも満足している。大学時代に、のどかな雰囲気の岐阜が、都会よりも自分にフィットしていると感じた。卒業後も岐阜に残る決意を固め、岐阜の女性と結婚した。埼玉県で暮らす両親も「自分で決めたことなら」と応援してくれ、現在は子宝にも恵まれ、公私共に充実した生活を送っている。

岐阜中央病院のルーツは、19床の産婦人科医院だった平野医院にある。現在は、誠広会グループへと成長し、中核を担う岐阜中央病院は、352床の中規模病院だ。周囲にはデイケアセンターやケアハウス、特別養護老人ホームも有している。

「岐阜県唯一の緩和ケア病棟や、岐阜県初だったリハビリ病棟もあります」

 病院の創設者であり、現在は会長を務める平野恭弘氏は、岐阜の医療を支えてきたという自負をもつ。それだけに、よりよい設備を求める気持ちも強く、PET‐CTの導入は悲願であった。PETセンター長医師として面接を行ったのが、金子氏だった。金子氏の第一印象は、まじめで実直。 「周囲の病院から、PET適用の患者の紹介が予想以上のペースで増えています。これも、金子医師の信頼される人柄のおかげだと思っています」  このPET‐CTはとても高価な機器だが、導入前の費用対効果を心配した反対意見も結果的に杞憂に終わった。「十分すぎるほどの結果を出していただき、とても感謝していますよ」。

 この機器があればこそ、がんや高齢社会に伴い増加中のアルツハイマーも、初期のうちに発見可能だ。

「残念ですが、当院はまだ、どの部位の、どんなステージのがんも治療できる体制ではありません。しかし、初期のがんを発見できれば、様々な治療が選べます。初期での発見が他科の発展にも寄与してくれると信じています」

 平野氏は、病気の早期発見の大切さは身にしみて感じている。自身も今年の3月に受けた健康診断で肝臓の不調が指摘された。また、PET‐CT導入時に、院内スタッフがモニターとなって検査を受けたところ、スタッフに甲状腺がんが見つかったこともある。

「金子医師は、患者さんやスタッフの命の恩人でもありますね」

 不幸にも、もはや治療は難しい場合にも、QOL向上のため、痛みのコントロールは不可欠だ。

「亡くなられた患者さんのお通夜やお葬式と、初盆に参列をしています。優秀な緩和ケアスタッフのおかげで、ご家族にも感謝いただいておるのは嬉しい限りです。PET‐CTでは痛みの原因の精査も行えますので緩和ケア領域にも有用だと期待しています」

 また、金子氏に放射線領域のがん治療におけるスキルアップも願っている。いつかは、重粒子治療の機器も導入したいという思いがあるからだ。

 岐阜中央病院は、新たな取り組みにチャレンジする活気にあふれている。そのなかで、金子氏をはじめとする医師たちも、それぞれの可能性も拡げていくのだろう。(文:柳川圭子)

※当記事はジャミック・ジャーナル2009年12月号より転載されたものです

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