最新相場、実態調査、成功事例から分析 非常勤勤務をキャリアに活かす

非常勤勤務で収入アップを図る医師が多いが、貴重なスキルと時間を使うのであれば、今後のキャリアに活かせるようなプラスαのある働き方をめざしたい。スキルを積む、将来の転職や開業に活かす、子育て中の医師が本格復帰に向けてスキルを維持するなど、キャリアへの活かし方はさまざま。非常勤勤務の求人の傾向や相場などの最新情報とともに、キャリア形成に繋がる働き方をしている実例や、目的に合う施設の探し方などをお伝えする。

  • 最新傾向

1~2月は非常勤医募集が集中。
内科、整形外科、訪問診療のニーズ高く、相場は時給1万円

永井英一郎
キャリアアドバイザー。医師の気持ちを引き出し、スキルが活き、将来に繋がる働き方を提案。

永井英一郎 写真

田口真奈美
キャリアアドバイザー(取材当時)。医療機関と医師との出会い、ベストマッチを支援する。

田口真奈美 写真

全体傾向

4月入職の求人に合わせ
情報収集を即、開始する

非常勤医を求める施設が多い傾向が続いているが、とくに求人が集中するのは、例年1~2月にかけて。人事異動などを経て病院が新体制になるのが4月であり、その時期に勤務を開始できるよう、例年1~2月頃、早い施設では12月頃から非常勤医の募集を行うのである。

「求人数は多いものの、同時に求人を探されている医師も多く、人気の求人はすぐに決まってしまう傾向があります。どんな働き方をしたいか、何を目的に非常勤医として働くかなど、希望や条件を整理し、すぐに情報収集に着手するのがお勧めです」

そう話すのは、リクルートメディカルキャリアのキャリアアドバイザー(CA)田口真奈美氏。時間的には急いでいない、条件に合う施設をじっくり探したい、という医師以外は2月中の決定をめざし、早めに行動するのがよさそうだ。

科目傾向

勤務地、業務の幅を広げると
希望の科目で入職しやすい

求人が多いのは一般内科で、全体の7割近くを占める。

病院はおもに常勤医とのシフト調整の役割を求めているのに対し、クリニックでは常勤医との2診体制にして患者の受入可能人数を増やす目的であることも多いという。そうしたニーズからも、非常勤医には即戦力が求められることが分かる。

一般内科に続いて求人が多いのが整形外科で、最近は精神科、訪問診療も多いほか、産婦人科、皮膚科、麻酔科の募集も少なくない。

精神科の求人が増えているのは、高齢化で認知症や老人性うつ病の患者が多いことに加え、若年層でもうつ病や統合失調症の患者が増えていることが関係している。

訪問診療については、経験がある医師、患者と深く関わることに関心が高い医師が希望するケースのほか、内科外来、病棟管理等を希望していた医師が関心を示し、入職を決めるケースもあるという。CAの永井英一郎氏は、「将来の転職を見据えて経験を積んでおきたい、常勤先で訪問診療をはじめる可能性があり現場を経験しておきたい、などの医師も増えているのが最近の傾向」という。

また白内障や褥瘡など、多疾患の患者も多いため、訪問診療ができる眼科、皮膚科、精神科の非常勤医も求められている。

人間ドック・健診も募集が多く、とくに女性患者には女性医師が好まれる傾向がある。時短勤務を希望する子育て中の女性医師の希望とマッチし、入職が決まるケースが多い。

一方、外科系は求人が少なめで、とくに一般外科や呼吸器外科の外来では希望に合う求人が見つかりにくい。外科系では当直医としての勤務が中心になる傾向である。リハビリ専門医の非常勤での募集も少ない。

産業医は志望する医師の多さに比して募集は多くない。

求人が少ない科目については、「通勤に便利なエリアを希望される医師が多いですが、少し距離を広げれば施設が見つかることもあります。受け持つ役割の幅を広げる、働き方を変えるなど、柔軟な発想で非常勤の仕事を選択することでスキルアップが図れ、将来に繋がるケースもあります」と、田口氏。

CAとの対話を通じて選択肢が広がることもあるので、目的や進みたい方向性などについて積極的に話すとよさそうだ。

相場

訪問診療や整形外科、
耳鼻科、眼科などが高め

科目や地域によって差はあるものの、報酬の相場は時給1万円が目安。地域によっては8000円が相場となる例もある。

科目別では訪問診療の報酬が高い傾向で、一般内科では日額8万円が相場なのに対し、訪問診療では10万円などの例もある。とくに個人宅への訪問件数が多いクリニックや、医師一人で巡回(運転も行う)するケースなどでは報酬が高めとなる。

専門性が求められ、医師が不足している整形外科、泌尿器科、婦人科では時給1万円~1万5000円、麻酔科医は日給10~12万円、うち指導医では同15万円の例もあるなど高め。耳鼻科や眼科のクリニックでは時給1万2000円、内視鏡検査医は3~4時間で4~5万円が相場だ。

健診の仕事では時給8000円から1万円と、若干低めが相場である。

働き方

1年以上勤務するのが理想
長く働けば業務もスムーズに

働き方としては、「最近、常勤する施設での研究日のうち、半日を常勤医として働き、半日は研究にあてることを希望する医師が増えている。終日働くという医師は減る傾向にあるが、施設側の中には終日の勤務を望むケースが少なくない」(永井氏)

同じ施設で10年以上働く医師もいるが、常勤している施設での異動、昇進といった状況の変化に伴って非常勤で勤務できる時間なども変わるため、同一施設で非常勤として働く期間は2~3年が多いようだ。

田口氏は「あまり短期で辞めてしまうと、新たな非常勤の仕事を決めるうえでも、転職する際にも、信用の面で不利になることがあります」と話す。1年程度は働けるよう、自身の状況を踏まえて勤務時間などを決めること、また待遇を含め、条件をしっかり確認することが重要だ。

さらに田口氏は、「勤務する期間が長期になれば同じ患者さんを長く診ることができますし、他施設についての理解が進めば連携も図りやすく、仕事がスムーズに進むというメリットもあります」と話す。

スポット非常勤の基礎知識

常勤、非常勤では得にくい経験も

日時を決めて定期的に勤務する定期非常勤に対し、臨時で仕事に就くスポット非常勤という働き方もある。一般的に検診、ストレスチェックのための産業医など、一時的に需要が高まるもののほか、訪問診療などでニーズが高い傾向がある。相場は定期非常勤より総じて高めで、都合が合えば、すき間時間を有効活用できる。

スポット非常勤で働く際は、常勤や非常勤同様、やむを得ない場合を除いてキャンセルをしないことが重要なのは言うまでもない。真摯に向き合えば、効率よく症例を積める、検診などの普段とは違う経験ができるなど、医師にとってメリットが多く、困っている施設や患者さんを助けることにも繋がる。責任を果たしながら、双方にプラスのある働き方を考えたい。

定期非常勤勤務の実態

スキルアップ、転職のため、専門の拡大など
キャリア形成を目的に非常勤する医師も多い

非常勤勤務をする目的で最も多いのは「収入を増やすため」。「スキル・症例を増やすため」「将来の転職に活かすため」「常勤先と違う専門で腕を磨くため」など、キャリア形成のためと回答した医師も多い。

勤務するのは平日、週1日が圧倒的に多く、半数以上が朝から夕までの1日という勤務形態となっている。非常勤勤務の診療科は約83%が自身の主とする診療科だが、異なる診療科も約17%にのぼる。

勤務内容(以下6ページ)は一般外来が最も多く、病棟管理約23%、専門外来約20%と続く。1勤務あたりの給与平均は、4~5万円未満を中心に3~10万円未満に分布。非常勤で得ている年収は、価格帯としては400万円未満が約38%で最多だが、残り約62%は400万円以上である。

勤務先を見つけた方法は、人材紹介会社からの紹介が約43%と最多。

【調査概要】リクルートドクターズキャリア会員登録者へのインターネット調査/2017年10月実施/有効回答数235人(男性:女性=8:2)

図表1 定期非常勤勤務の目的は(複数回答)
図表2 直近の勤務日数
図表3 勤務の曜日(複数回答)
図表4 勤務形態(複数回答)
図表5 勤務の診療科は「主とする診療科」と同じか
図表6 勤務内容(複数回答)
図表7 1勤務あたりの給与平均(複数回答)
図表8 定期非常勤による税込年収(複数勤務の場合合計額)
図表9 定期非常勤勤務先を見つけた方法(複数回答)
  • キャリアに活かす方法

「即戦力」の期待に応えながら
戦略的な施設選びでスキルアップや将来に繋げる

症例数や技術を積み、
スキルアップに活かす

業務の幅を広げて
スキル研鑽をめざす

先輩医師が多くて症例が回ってこない。資格の維持に必要な症例数に届きそうもない。そんな悩みを抱え、非常勤で症例数や技術の向上を図りたいという医師も多い。

とはいえ、専門外来は常勤が担うことが多く、「非常勤医では術後管理が十分にできないため、手術はとくに難しい」と、永井氏。

内視鏡などの実績を積むのも簡単ではない。少なからず募集はあるが、施設としては効率的に検査できる医師を求めており、「観察のみなら上部で5分前後、下部で15〜30分程度など、検査の所要時間が重視されます」(田口氏)

とはいえ、道がないわけではない。予約があれば回してもらえるように交渉し、内視鏡検査以外にも外来・病棟管理・健診業務もするなどの方法で症例を増やすことも可能だ。

医師によっては、未経験の内視鏡や循環器カテーテルを非常勤で希望するケースもあるが、これは難しい。施設側は非常勤医に即戦力を求めており、非常勤医を育てるという立場にはないからだ。専門性の高い、新しいスキルを身に付けたい場合は、「地方の施設であれば可能性はゼロではありません。ただし、施設のニーズに応えて経営に貢献する、いずれは常勤になるなど、施設側にメリットがあることが重要です」(田口氏)

未経験の医師が美容皮膚科を望む例も多い。求人数は少なくないが、手術や臨床より、手術を希望する患者へのカウンセリングなどの役割を求められる傾向が強い。土日も診察しているクリニックが多く、土日に外来ができる医師を望む場合も多い。

訪問診療のスキルを身に付けたいという医師も増えている。求人も多く、「バルーン交換、胃瘻交換、気管切開、全身管理ができれば、訪問診療の経験がなくてもよし、とする施設が少なくありません」(永井氏)

求人が多い検診の仕事から
専門的な症例の増加に繋げる

40代男性・循環器内科医
非常勤先・健診医・週1回・4.5万円/半日

医師、非常勤先、常勤先と
三方良しの働き方を実現
心臓カテーテルの症例数を増やすために循環器内科の外来を希望したが、希望するエリアには募集がなかった。そこでCAの提案により、非常勤先は検診クリニックに決めた。そこでは心臓カテーテルを行っていないが、心臓カテーテルが必要と診断した患者を常勤先に紹介し、そこで自身が担当する、というスキームをとることにしたのだ。
クリニックにはCAが交渉。紹介先を変えるだけということでスムーズに了承が得られた。また常勤先が有名病院だったため、有名病院の専門医が診察してくれる、紹介もしてくれるということでクリニックにとってはPR効果も。さらに常勤先でも患者数の増加に繋がり、常勤先の施設、非常勤のクリニック、医師自身の三方にメリットが得られている。

外来、検診を担いながら
優先的に読影を回してもらう

40代・女性・放射線科医
非常勤先・健診&読影・週1回・4.4万円/半日

柔軟に業務を広げることで
外来のスキルも獲得する
放射線診断専門医資格を取得しており、読影だけ担当してスキルを磨きたいという希望だったが、読影専門は募集が少なく見つかりにくい。
CAは「募集が出るのを待って何カ月も費やすより、症例が少ない現場でも、早く入職した方が結果的には多くの症例を積める可能性がある」、と助言。また「健診を担当することで得られるスキルもあり、将来のためにもプラスになるのではないか」と提案した。医師も前向きに検討し、読影の仕事は優先的に担当させてもらい、外来、検診を行う、ということで非常勤の検診医として勤務することを決めた。
施設には、医師のスキルアップに繋がるよう、業務内容をカスタマイズしてもらうように依頼。医師は専門性を活かしながら、仕事の範囲を広げることができた。

別の職場を体験し、
将来の転職に活かす

非常勤で状況把握
異なる仕事内容への対応も

将来の転職を想定して非常勤の仕事を選ぶ、という考え方もある。

たとえば、いずれは郷里に戻って働きたいという医師の場合、まずは非常勤で働いて地域の状況を把握するのが望ましい。

「都市部とは異なり、地方では一人の医師が多くの役割を担っていることも少なくありません。実際に現場に入ることで業務の実態を把握したり、常勤として勤務できるかを判断したりでき、意義が大きいといえます。非常勤として勤務した施設で、いずれ常勤に切り替えるという道もあります」(田口氏)

最近では、自身や配偶者の親に介護が必要になり、Uターンを検討する医師も増えているという。自身にその可能性がないか考えておきたい。

整形外科医がリハビリ専門に、内科医が訪問診療に、など仕事内容を変えるケースもあるが、その場合も非常勤医でスキルを積むという方法がある。施設は即戦力を求めているが、自身のスキルを活かせるような働き方を提案すれば採用の可能性がある。戦略的に動きたい。

病棟管理に加えて在宅診療を経験
スキルアップで転職の道も

40代・男性・循環器内科医
非常勤先・訪問診療医・隔週1回・8万円/日

常勤で得た経験をベースに
非常勤医でスキルの幅を広げる
医局で老人内科の病棟管理の仕事をしていたY医師。時間を有効活用しようと非常勤の仕事を探していた。
自身は漠然と一般内科をイメージしており、とくに強い希望はなかったが、CAからの「将来に繋がるような非常勤での働き方を模索してみては」との助言を受け、検討。在宅診療医が多く求められ、将来性もあることに着目し、非常勤先は訪問診療専門のクリニックに決めた。
老人内科で高齢者とのコミュニケーション能力も身に付けており、入職先でも即戦力として歓迎され、力を発揮している。
「個々の患者さんやご家族と密に接することで、病棟では得られない経験、学びも多い。訪問診療医としてのスキルを高め、将来的にはこの分野に転職しようと考えている」(Y医師)

臨床以外も幅広く学び、
将来の開業に活かす

開業の意思を伝え
円満にノウハウを学ぶ

将来、開業を視野に入れているなら、常勤先とは異なる規模の施設や、臨床だけでなく、運営や経営を学べる施設を選ぶと有効だ。

ただし開業を考えていることを非常勤先に明確に伝えておくことが重要。のちに発覚すると、場合によっては、競合になる、患者が流出するなどの恐れから、施設側とトラブルになる危険性もある。

「開業を計画する地域とは異なるエリアの施設なら受け入れてもらいやすいほか、開業のコンサルテーションをしているクリニックなどでは、経営ノウハウを体系的に学ぶことも可能です」(永井氏)。

「最近では整形外科医が、常勤先での仕事を続けながらリハビリ専門のクリニックを開業、経営するプランを立てている、などのケースもあります」と、田口氏。そのようなキャリアプランを持つ医師も、専門スキルを積むのと並行して、経営を学べる施設で非常勤として働くのが合理的。患者を紹介し合えるような関係が築ける施設で働く、という考え方もある。

非常勤から常勤、院長に抜擢
経営ノウハウを修得し後に開業

40代・女性・耳鼻科医
非常勤先・耳鼻科医・週2回・9万円/日

真摯に仕事に取り組むことで
経営を学び、開業へ
夫の海外赴任同行のため退職し、いったんは医師を引退したK医師。しかし3年ぶりに帰国後、医師に復帰することにした。
まずは非常勤で学び直そうと考え、耳鼻科専門クリニックで週2回、非常勤医として勤務。スキルの高さと働きぶりが評価され、わずか半年後には常勤医となった。近隣の小児科医との連携を提案、奔走するなど、クリニックの経営にも大きく貢献し、その後、院長に登用された。
しかし次第に多忙を極め、「子どもとの時間も大切にしたい」という想いから、院長を辞任。施設の要望もあって非常勤で勤めた。そして数年後、状況が可能になったため自身でクリニックを開業した。「院長として経営を学んだことが大きかった。非常勤でも意外な道が開けることを知りました」(K医師)

本格復帰に向けた
スキル維持に活かす

時短でもスキル維持は可能
できることをアピールする

子育てで退職した医師や、子育てで時短勤務を選択している医師も少なくない。そのような医師が資格の維持のために非常勤医として働くことを希望するケースも多い。

女性医師が午前中のみ、週1日などの時短勤務を望む場合には、検診医などのニーズも高い。しかし専門性の高い仕事をしたい、スキル維持を優先したい、という場合は、施設との交渉も重要となる。

「皮膚科で常勤していた医師が、お子さんの受験のため9時から16時の時短勤務を希望されたものの、叶わずに退職。スキル維持のため、皮膚科の外来を担当しながら皮膚に疾患がある在宅患者を定期的に訪問診療する、受験が終わったら通常勤務にする、という条件で非常勤での入職を決めた例もあります」(CA)

とくに出産を機に退局した医師は、時短勤務後の働き方も意識しておきたい。非常勤で検診を担当し、子育てが落ち着いたら内科に異動する、常勤へ登用される道もあるなど、将来の選択肢が広がる施設を候補にするのもキャリア形成には重要となる。

自信を持って働くため
少ない時間でもキャリアを継続

30代・女性・麻酔科医
非常勤先・麻酔科医・週1回・14万円/日

仕事に対する真摯な姿勢と
出産後の勤務を約束して入職
医局派遣で麻酔科の常勤医として働いていたW医師。出産のため、産休、育休に入ったが、「専門医を取得してスキルを積んできたのに、長期間休むとスキルが下がり、自信を持って働けなくなるのではないかと強い不安があった」(W医師)。そうかといって、出産後すぐに復帰して常勤医として働くのは難しい。
そこでW医師が考えたのが、キャリアを途切れさせないよう、非常勤医として働くこと。出産の1カ月前までは2週に1日、出産後は週1日を希望して求人を探した。2週で1日という求人はなかったが、出産後は週1日に増やすことを条件に交渉し、勤務先が決まった。
「スキルを維持するために少しでも働きたいという姿勢が施設から好感を得たことも採用に繋がった」と、CAは話す。

先輩医師たちからの
「非常勤勤務アドバイス」

●基本を守り、真摯に
施設の方針に従う、丁寧な診察をするといった基本的なことを守ると信頼が得られる。非常勤医だからといって複雑な病歴の患者やほかの医師が主治医の患者に拒否的になるより、その時の最善を尽くす姿勢も重要。そうすることで仕事がしやすくなるし、待遇アップに繋がることもある(40代・男性)
●幅広い業務を経験する
常勤とは異なる業務に就くと視野も広がる。特に内科医は検診業務、一般内科外来、往診、産業医業務など、一通り経験しておくと将来の転職にも役立ちそう(30代・男性)
●夜勤の態勢を確認
当直の非常勤を引き受ける場合は、レントゲン技師など、自分以外の夜勤のスタッフがしっかり対応してくれる態勢にあるかを確認しておくことが重要(40代・女性)
●可能な範囲で対応する姿勢
常勤の状況によっては、どうしても非常勤を休まねばならないことも起こりうる。そのときのために、非常勤先の要望について可能な範囲で対応するよう努めている(50代・女性)
●医療事故への備え
施設を決める際、仕事の内容を具体的に確認し、医療事故があった場合などの責任の所在を明確に提示してもらっている(40代・男性)
●3カ所で非常勤
3カ所で非常勤医として働いて生計を立てている。それぞれから常勤になるよう打診されたが、常勤になれば時間外勤務が増える可能性が高い。今は仕事と育児、介護を両立させる必要があり、今の働き方が合っている。それぞれの施設で、責任を持って働くことが大切だと思っている(40代・女性)
●業務の範囲を明確にする
自分がしたいこと、できないことをしっかり施設に伝える。そうしないと不可能に近い数の外来、読影と、業務が無限に増えてしまうことも(50代・男性)
●常勤医を尊重し、配慮する
常勤医師より時給が高い場合があるので、関係性を悪くしない配慮が必要。自分の当直時にオンコールの常勤医を呼び出す際や、当直で入院させた患者のその後の治療を依頼する場合も責任をしっかり持つ。関係性に問題が生じた場合はすぐに管理者に伝え、話し合う(30代・女性)
●育児をメリットにする
子どもが小さいうちは、短時間でも最大限に能力を発揮し、患者さんに質の高い医療を提供する。施設に対しても、女性医師や母親の目線で患者さんに適切なアドバイスができる可能性をアピールし、子どもがいることはリスクでもデメリットでもないことを理解していただく。人間関係で困ったことがあれば、それが繰り返されないよう、上手に先手を打って解決を促す(50代・女性)