藤田医科大学病院 総合消化器外科 医局長に聞く ここから描けるキャリア

最先端の治療を“トップランナー”から学べる
個人の希望に合わせた柔軟な研修プログラムも魅力

藤田医科大学病院総合消化器外科は、学会でも高く評価されており、先進的な取り組みで知られています。そんななかで、5年目、10年目の医師に求められること、同大学でのキャリアプランについて伺いました。

高度な技術を間近で学び
新たなチャレンジができる環境

藤田医科大学病院
総合消化器外科 教授
稲葉 一樹 先生(医局長)

藤田医科大学総合消化器外科に入局された経緯を教えてください

当科の特徴は、低侵襲の腹腔鏡手術で高い実績を挙げていることや、手術支援ロボットの導入など、先進的な医療を時代に先駆けて提供している点だと思います。

腹腔鏡手術が標準手術の一つとして認知された今では、信じられないような話ですが、「腹腔鏡手術は意味があるのか」と学会でも議論となっていた時代もありました。私が当院に赴任したのは、学会で宇山教授の腹腔鏡手術の発表を聞いたのがきっかけでした。そのとき、“これだ!”と感じ、早速見学に行ったのですが、非常に医療レベルが高いと感じたことを覚えています。

当時別の大学に所属していた私は、教授に相談し、1年間の期限付きで当時の当大学上部消化管外科に国内留学をさせていただきました。その目的は、腹腔鏡手術のエッセンスを修得して持ち帰ることでした。実際には1年での修得は難しく、期間を延長している間に本学で学位を取得することになり、本学に転籍しました。

私が赴任した当時、腹腔鏡手術は早期がん中心に行われていました。腹腔鏡胃全摘術はまだ普及しておらず、進行がんに対して腹腔鏡手術をどのように取り入れられるかが課題となっていました。当時まだ技術が確立されていなかった腹腔鏡での食道空腸吻合など、検証と改良を重ねながら、その手技を開発していきました。

私は、確立された手技修得を目的に着任しましたが、その一方で、新しい治療方法開発の現場に身を置けたことも大きなモチベーションになりました。
学会でも当科の医局員が発表するときには、聴講者が非常に多く入ります。その注目度の高さを目の当たりにすると、改めて使命感を持って取り組まなければならない立場にあると感じています。

後期研修の特徴を教えてください

臓器別診療科のメリットは、ひとつの診療科をより専門的に学べる点にあると思います。一方で横断的に学ぶことが難しいというデメリットもあります。いまは専門医取得が非常に重視されていますので、様々な消化器外科疾患を同時に学べる環境を作ることが重要で、当院にはその環境があります。もちろん各診療科の上級医は専門性が高く、手術件数も多いので、各臓器の診療を専門的に学ぶことができます。

上部消化管外科の特徴でいえば、宇山教授の方針で腹腔鏡や胸腔鏡、手術支援ロボットの使用による低侵襲治療の症例数を多く経験できる点にあります。私自身がそうだったように、他大学からその専門的な知識、手技を学びに全国から医局員が集まっており、最先端の治療をその道のトップランナーから直接学べることは魅力ではないでしょうか。

まず後期研修は、初年度に外科医として基本的な診療能力や知識と技術を修得するため、心臓血管外科、呼吸器外科など外科専門医取得に必要な各科をローテーションします。しかし、その期間は希望を踏まえた個別対応で、例えば初期研修で他の外科領域の症例を経験している人であれば、消化器外科を長めにする、一方で満遍なくローテーションしたい人は期間をほぼ均等にすることもできます。初期研修の状況によっても変わりますので、個別に面談して決定しています。

貴院でのキャリアプランを教えてください

すでに消化器外科医になることを決めている研修医は、卒後1年目で日本外科学会の会員になり、手術の助手にも入って経験を積んでいるケースがあります。その場合は3年目以降で上級医指導のもと、低難易度手術を中心とした執刀が任されます。当科は若い医局員が経験できる頻度は高く、着実にステップアップができます。

消化器外科での研修も、胃、肝臓、大腸など広く経験ができます。これは臓器別ではなく、総合消化器外科であることのメリットだと思います。その後は連携病院で開腹手術も学びながら、外科専門医資格を取得するための症例経験を積みます。
外科専門医の資格を取得した後は、さらにサブスペシャリティ領域の専門医研修を受けてステップアップしていくとともに、学位取得に向けても研究を進めていくことになります。

大学院への進学では、社会人大学院として3年目から臨床と並行して入学し、研究を進める研修医が多いですが、なかには初期研修の間に大学院に入り、他科をローテーションしている期間にも授業を受けている人もいます。当科の特徴として、手術件数が多いので、研究テーマを臨床のなかから見出すことが多く、手術の解析や新しい器具を使った手術の検討などがそのテーマに選ばれています。

総合消化器外科の医局の雰囲気を教えてください

大学は自由な雰囲気で、新しいチャレンジもサポートしてくれる環境にあると思います。臓器別消化器外科から総合消化器外科への変革が大きな転機となり、カンファレンスを重ねるなかで強い仲間意識が生まれていると感じます。以前であれば臓器別診療科ごとの小さなまとまりでしたが、研修医の勧誘や打ち上げなどでも医局員がみんな集まりますし、チームとしての機能が日々進化している実感があります。

その影響もあってか、2016年、2017年で各4人、計8人の医局員が入局しました。医局の雰囲気が明るく、熱心に教えてくれると、学生の間でも評判のようです。若い医局員から親しい後輩に医局での様子や具体的な臨床での経験を話すことも多いので、それがよいサイクルになってきたのではないかと思います。

最後にメッセージをお願いします

私は2017年度から医局長を務めていますが、正直なところ、過去10年遡っても一度に4人もの後期研修医が入局したことがなく、医局長としては、皆がやりがいをもって日々気持ちよく仕事ができるかどうかが最大の心配事だったため、サポートの一環として“里親制度”を始めました。特に慣れない最初の1年目の間に他科で研修を受けているときには目が行き届きにくくなります。そこで年齢が近い先輩を“里親”に、講師や准教授を“サブの里親”に指名して、何かあればその先生を通じて医局長まであげてもらうようにしました。困ったり悩んだりしたときにもみんなでサポートし、毎月開催される総合消化器外科全体グランドカンファレンスでは、“里親”から後期研修医の現状報告をしてもらうなど、医局全体としてバックアップしています。

消化器外科に興味がある人であれば、どんな人でも受け入れたいと思っています。ぜひ一度、見学に来てください。

2018年5月掲載

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