医療界Topics

後継者探しに悩む開業医に、医業承継の各種支援制度を紹介

福島県医師会による医業承継セミナーが開催

石塚氏による講演

県内各地でセミナーを開き
医業承継の現状を紹介

福島県医師会は福島県から委託を受け、後継者不在などによる診療所廃止を減らし、地域医療の担い手を確保する目的で「医業承継バンク(以下バンク)」を2019年2月に開設。医業の譲渡を希望する医師と、承継して開業医となる医師とのマッチングを進めている。

この事業の周知を図る施策の一つとして、同医師会が県内各地で行っているのが「医業承継セミナー」だ。バンクを担当する常任理事の石塚尋朗氏によれば、県内開業医への調査で、医業承継で関心があるものの上位に「医業承継に係る制度や手続きに関する情報」「後継者の確保」などが上がっており、セミナーはそうした不安にも応えられる内容だという(調査概要は下図の※1を参照)。

「私も2月、3月のセミナーで『医業承継の現状と支援策について』をテーマに講演しましたが、普段は医師会や研究会などにあまり参加されていない皆さんも受講されていて、譲渡を真剣に考えている開業医が多いことを実感しました」

譲渡希望の医師がセミナーを通じて医業承継の支援制度を知り、バンクに登録したケースもあるといい、今後も各地で定期的にセミナーを開催する予定だ。

以降は3月17日(日)の会津若松市でのセミナーの内容を紹介する。

当日は前出の石塚氏がまず講演し、福島県の総人口が減少する中で、75歳以上の後期高齢者は2035年まで増え続けるなど、今後の人口予測を紹介。地域医療を担う診療所の役割が重要になる一方で、施設数が減り続ける同県の厳しい状況を伝えた。さらに県内開業医への調査では約75%が医業承継に関心があるが、うち70%以上が「後継者未定」で、多くの診療所が廃止となる危機的状況にあることを石塚氏は指摘。

しかし自治体の支援策は地域ごとに濃淡があるため、まず医業承継バンクを活用してほしいと受講者に訴えた。

次の講演は医業承継のさまざまなケース、必要な手続きなど実践的なノウハウを専門家が詳しく解説した。

最後に意見交換が行われ、会場からは自治体に期待できる支援内容、バンク登録後の流れなど具体的な質問が続出。医業承継を本気で考える必要があることが受講者に伝わったセミナーだった。

福島県医師会
常任理事
石塚尋朗
石塚尋朗氏
平成30年度に行われた 医業承継セミナー 日程
日程 開催地区 会場 プログラム(全日程共通)
2月9日(土) 県中 郡山ビューホテルアネックス 14:00〜 開会・挨拶
14:05〜 講演1「医業承継の現状と支援策について」
14:40〜 講演2「医業承継に係る制度や手続きについて」
15:40〜 意見交換
2月24日(日) いわき グランパークホテル
パネックスいわき
3月2日(土) 県北 福島県医師会館
3月17日(日) 会津 会津若松ワシントンホテル
開催概要

平成30年度 医業承継セミナー
※日程・会場は上表の通り
主催:一般社団法人 福島県医師会
http://www.fukushima.med.or.jp/

『RECRUIT DOCTOR'S CAREER』2019年6月号掲載
※掲載内容は雑誌掲載号における取材時のものです

  • 石塚尋朗氏
    福島県医師会による医業承継セミナーが開催
    福島県医師会は福島県から委託を受け、後継者不在などによる診療所廃止を減らし、地域医療の担い手を確保する目的で「医業承継バンク(以下バンク)」を2019年2月に開設。医業の譲渡を希望する医師と、承継して開業医となる医師とのマッチングを進めている。
    (『リクルートドクターズキャリア』2019年6月号掲載)
  • 真野俊樹氏
    第5回 MQMA研究大会 2019開催
    医師や医療機関の経営層、さまざまな医療関連企業、研究者などが参加し、医療の質と経営の質を高める実践研究・人材育成に取り組むMQMA(一般社団法人メディカルクオリティマネジメントアカデミー)。その第5回研究大会が、2月2日(土)・3日(日)に開催された。
    (『リクルートドクターズキャリア』2019年3月号掲載)
  • 東小薗 誠氏
    第65回 日本矯正医学会総会 開催
    10月25日(木)・26日(金)、第65回となる日本矯正医学会総会が開催された。同会には全国の矯正施設(刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所等)に設置される病院・診療所の医師、看護師、薬剤師、心理技官(臨床心理士)などが参加しており、両日の一般講演でも医師のほか各職種から多様な発表が相次いだ。
    (『リクルートドクターズキャリア』2018年12月号掲載)
  • 秋山和宏氏
    医療人や社会起業家らによる『MED Japan 2018』が開催
    今回で第10回となるMED Japan(旧名MEDプレゼン)が10月14日に行われた。同会は医療・福祉の現場で新たな提案と実践を続ける人材が社会に提言を行う。主催の秋山和宏氏はそれを増幅して広く届ける場がMEDの役割だという。
    (『リクルートドクターズキャリア』2018年12月号掲載)
  • 矢口智子氏
    日本医師事務作業補助研究会 全国大会が開催
    9月15日(土)、広島コンベンションホールで日本医師事務作業補助研究会 第8回 全国大会(大会長 増成倫子氏)が開催された。2011年の第1回全国例会以来、年々規模は拡大し、今回は800人近くの参加となった。
    (『リクルートドクターズキャリア』2018年11月号掲載)
  • 林 真輝氏
    法務省矯正医官業務説明会が大阪で初開催
    7月28日(土)、大阪医療刑務所で法務省大阪矯正管区による矯正医官業務説明会および同所見学会が行われた。矯正医官とは法務省所轄の矯正施設(刑務所、拘置所、少年院等)の病院や診療所で診療する医師を指す。同会は法務省の担当者が業務内容を説明するだけでなく、矯正医官自らが参加者と質疑応答を行う等、具体的な情報を提供するのが特色。
    (『リクルートドクターズキャリア』2018年9月号掲載)
  • 森 厚嘉氏
    医師の専門知識・スキルが生かされるこれからの予防医療
    2006年から2015年の10年間で2日ドックを行う病院が減少する一方、1日ドックを実施する施設は2倍以上に増えている(公益社団法人 日本人間ドック学会『2015年 人間ドックの現況』)。さらに近年は午前中で検査から説明・指導まで終えるタイプのドックも多い。
    (『リクルートドクターズキャリア』2018年6月号掲載)
  • 相澤孝夫氏
    長野県内で活動を希望する小平選手にチャンスを提供した相澤病院の考えとは
    今年2月9日から25日に行われた平昌五輪で、スピードスケート女子500mで金メダル、1000mで銀メダルなど大活躍した小平奈緒選手。それとともに話題になったのが、小平選手が勤める相澤病院(長野県)だろう。同院は長く地域医療に貢献してきたが、理事長の相澤孝夫氏はその歴史の一コマをこう振り返る。
    (『リクルートドクターズキャリア』2018年5月号掲載)
  • 真野俊樹氏
    第4回MQMA学術総会 2月研究大会開催
    海外医療機関の経営や国際的な第三者認証などの研究を通じ、医療と経営の質を高める人材育成を目指すMQMA(一般社団法人メディカルクオリティマネジメントアカデミー)。その第4回学術総会が2月3日(土)・4日(日)に開催された。
    (『リクルートドクターズキャリア』2018年3月号掲載)
  • 道永麻里氏
    第6回『赤ひげ大賞』は5名が大賞、2名が特別賞を受賞
    各地で地道に診療を続ける医師を対象とした「赤ひげ大賞」の表彰式が、2月9日(金)に行われた。同賞を主催する日本医師会の道永麻里氏は賞の趣旨をこう語る。
    (『リクルートドクターズキャリア』2018年3月号掲載)
  • 濱中洋平氏
    今後のキャリアを考えるための知識を習得「1日で学ぶ病院経営講座」開講
    専門医取得を中心に、専門性の向上に熱心な医師は多いだろう。加えて地域連携、多職種連携が重視される時代では、医師はマネジメント力の習得も必須となりつつある。その中でも国の医療政策、医療機関の経営戦略、診療科の変化などから今後の医療を俯瞰的に捉え、医療現場で主導的な役割を担う力を養う講座が2017年11月30日(木)に開講された。
    (『リクルートドクターズキャリア』2018年1月号掲載)