医師の働き方「非常勤」とは

非常勤と常勤の違い、非常勤に2種類の働き方

非常勤医師とは、常勤医師として認められる「一日8時間程度の勤務でかつ一週間2時間、週に4日勤務」以外の勤務の仕方をする医師です。非常勤には2種類の働き方があり、週1日や2日など勤務日を決め、定期的に勤務する「定期非常勤」と、特定の日だけに当直や健康診断などを行う「スポット」です。この記事では、医師にとって安定した収入源になる「定期非常勤」を中心に解説します。

勤務内容は外来の求人がもっとも多い

勤務内容は内科、外科など科目に関わらず、外来の求人がもっとも多く出されています。次いで、当直や日当直で病棟管理が多く、救急対応を伴う求人も少なくありません。外科系で症例数を増やしたいという場合には、術後管理などの問題から執刀医は常勤医に限られるケースが多く、希望がかなえられるケースは難しいようです。しかし、眼科ならば、白内障や緑内障の手術を非常勤医が担当していたり、美容外科や美容皮膚科ならば、研修期間を経た上で執刀にもかかわることができる施設もあったりするようです。

勤務時間は「日勤(1日)」が半数

非常勤で働く理由として、もっとも多いのは常勤先の研究日を利用して収入増を図るため。二つ目は、症例増や周辺知識習得などスキルアップ。そして三つ目は主に女性医師で、育児と仕事を両立するためです。勤務日数は約4割が「週1日程度」。勤務形態は「日勤(1日)」が半数です。「午前のみ」「午後のみ」「当直のみ」も2~3割ほどあり、多様な働き方ができるようです。入職した経路は「同僚・知人の紹介」が半数で最も多く「医局の紹介」が約4割、「民間人材紹介会社」が約2割となっています。
最近は、子育て中の女性医師が 週2~3日など複数日勤務を希望するケースが増えているようです。産休・育休が明けの、子どもを幼稚園などに預けて働き、少しずつ再開して(臨床などに戻っていく)パターンです。但し、子育てに優しい医療機関は人気が高く、自力で探すには限界がありますので、上手に紹介会社を利用していると思われます。

常勤との待遇面では違いも

自分の都合に合わせて働くことができ、メリットも多い非常勤ですが、待遇面では常勤とは異なるのが一般的です。非常勤のみで働く場合、健康保険や厚生年金などは自分で支払い、確定申告も自分で行わないといけませんし、通常は各種手当も付きません。