長野県の医療提供体制の推移としては、2004年に病院と診療所合わせての総医師数が4221人(人口10万人当たり192人(全国平均212人))であったところ、2018年に4809人(人口10万人当たり229人(全国平均245人))となり、588人が増加しました。総医師数は5000人に迫り、人口10万人当たりの医師数も全国平均までもう少しというところまできています。あと一歩の伸びが期待されます。医療施設の数に注目すると、2004年の病院数が139(人口10万人当たり6.3病院(全国平均7.1))であったところ、2018年に128(人口10万人当たり6.1病院(全国平均6.6))となり、14年間で11病院が減少しました。また、2004年の診療所数が1500(人口10万人当たり68診療所(全国平均76))であったところ、2018年に1574(人口10万人当たり75診療所(全国平均80))となり、74診療所が増加しました。人口10万人当たりの医療施設の数も全国平均までもう少しというレベルにあり、大きなほころびこそないものの、さらなる充足が望まれる状況です。医師不足に関しては、特に産科医、小児科医、麻酔科医の確保が急務で、外科医などの不足も懸念されています。長野県の地域医療再生計画としては、まず三次救急における高度専門医療の充実・強化が挙げられています。三次医療圏に循環器病センターを整備するほか、ドクターカーやドクターヘリの活用により機動的に全県をカバーできる広域体制構築を目指しています。また、急性期から回復期・維持期までの医療機関相互の連携体制の構築にも力を注いでいます。さらに、がん診療体制の向上、急性期から在宅医療まで連携体制の構築、産科・小児科医療の集約化と重点化なども、医療再生計画の重要課題として挙げています。
(出典:日本医師会総合政策研究機構「地域の医療提供体制の現状(2020年)」)