全国の医師838名に聞く、転職活動の実態と意識変化

記事公開日:2025年7月4日

株式会社リクルートメディカルキャリアは、全国の医師838名を対象に、転職活動に関する意識と行動実態を調査(※)しました。本調査では、医師の転職をめぐる動向と、転職後の意識の変化を紹介します。

(※)「株式会社マクロミル」に登録している医師モニター838名を対象に調査を実施。
実施期間:2025年2月18日~2月25日

約4割の医師が転職に関心、きっかけは給与や制度の変化

今回の調査では、過去1年以内に転職活動を行った医師は21.0%でした。また「将来的に転職を検討している」と回答した医師を含めると、転職意向がある医師は40.3%に達しました。

転職を考え始めた背景として最も多く挙がったのは「給与への不満(29.0%)」で、次いで「人間関係への不満(25.0%)」、「労働条件や勤務地への不満(22.7%)」が続きました。また、2024年4月に始まった医師の働き方改革を契機に、自身のキャリアや働き方を見直したと回答した医師も21.6%にのぼり、制度の影響も一定の転職意識につながっていることが伺えます。

【年代別】これまでの転職回数 転職を考え始めたきっかけ

不安の中心は「年収の減少」

転職活動に際して不安に感じたことについては、「年収が下がる可能性(37.5%)」が最も多く、次いで「希望する勤務条件の職場が見つかるか(34.7%)」、「新しい職場に馴染めるかどうか(29.5%)」という順となりました。

転職活動中に不安だと感じたこと

情報不足が転職活動の障壁に

転職活動中に苦労した点については、「特にない」と回答した医師は17.0%にとどまり、83.0%の医師が何らかの困難を経験していました。その中でも「転職先に関する情報の不足(25.6%)」が最多であり、医療機関の情報開示へのニーズの高さが浮き彫りになりました。

転職活動で苦労したことはあったか 転職活動で苦労したこと

医療機関に求められるのは「勤務詳細」と「業務内容」

転職活動中に医療機関から提示されることを望む情報としては、「勤務時間や休日、当直などの勤務条件の具体的な情報(59.5%)」、「職場で実際に求められる仕事内容の明示(59.4%)」が上位に挙がり、医師は入職後のイメージを描ける具体的情報を求めていることが分かりました。

転職活動で医療機関・施設に提示してほしいこと

職場選びでは待遇面を重視する傾向

転職先を選定するうえで重視する条件を尋ねた結果、「給与条件(46.4%)」が最も多く、次いで「勤務時間・勤務体系(29.6%)」、「休日・休暇(27.4%)」が続きました。医師にとって、待遇面が職場選びの主要な基準となっていることが明らかです。

働く場を選ぶ上で特に重視する条件

しかし実際に活き活きと働く鍵は「やりがい」や「理念への共感」

過去1年以内に転職した医師108名に転職後の実感を尋ねたところ、「いきいきと働けている」と感じる医師は全体の78.7%(「あてはまる」20.4%、「ややあてはまる」58.3%)にのぼりました。
さらに、転職前後の待遇や職場の状況の変化について15項目で分析した結果、いきいきと働いている医師が特に高く評価していたのは、「仕事のやりがいが増した(+8.6pt差)」「仕事への取り組みやすさが向上した(+8.0pt差)」「職場の理念や方針への満足度が高まった(+7.8pt差)」の3点でした。
一方で、「勤務時間」や「休日」といった待遇面の項目では、満足度の差が小さく、場合によっては全体平均を下回る傾向も見られました。

この結果から、転職検討段階では待遇面が意識されやすい一方で、実際の働きやすさや満足度を左右するのは、やりがいや職場との相性といった内面的要素であることが示唆されました。

転職後いきいきと働けているか 転職前と転職後の待遇や職場の状況の変化

※各項目について「はい」「変わらない」「いいえ」の3つの選択肢で聴取。表中の%の数値は「はい」の割合。
「転職後いきいきと働けている方」-「全体」の差分の大きい順に掲載

転職意向はあっても行動に移さない理由とは

「転職をしたい気持ちはあるが、まだ活動を始めていない」と回答した医師204名に理由を尋ねたところ、「今のところ転職をしなくても支障がない(48.0%)」が最多でした。
加えて、「手間がかかる(28.9%)」、「希望条件に合う職場が見つかる気がしない(27.5%)」という回答も多く、医師ならではの多忙さや情報収集の困難さが、行動へのブレーキになっていることが明らかになりました。

転職意向を持ちながら具体的な転職活動をしていない理由

この調査を通じて、医師が転職を検討する理由や実際の課題、転職後に充実感を得られる要因が明らかになりました。今後、医師の採用や定着を図るには、待遇だけでなく「やりがい」や「理念共有」といった内面的な満足を支える職場づくりがますます重要になると考えられます。

医師の転職サポート歴40年のリクルートドクターズキャリアでは、専任のキャリアアドバイザーがお一人お一人に伴走し、ご自身のキャリアを自ら主体的に考え、自律的に歩んでいけるようサポートしています。満足のいく転職、そして思い通りのキャリアを実現するためにも、リクルートドクターズキャリアの活用をぜひご検討ください。

※本調査の詳しい調査結果は、こちらからご覧ください
https://www.recruit-mc.co.jp/assets/img/news/PDF_news250422.pdf

この記事を読んだ方に
おすすめ

キャリアアドバイザー

幅広く求人を検討したい方

非公開求人を紹介してもらう

転職全般 お悩みの方

転職のプロに相談してみる

働き方を考える最初のステップとして、
現在の勤務時間を見直してみませんか?

常勤先での勤務や非常勤先のアルバイト時間を通算して勤務時間を確認し、
ワークライフプランナーとしてご利用いただけます。

勤務時間をシミュレーションする