熊本県の医療提供体制の推移としては、2004年に病院と診療所合わせての総医師数が4584人(人口10万人当たり249人(全国平均212人))であったところ、2018年に5091人(人口10万人当たり285人(全国平均245人))となり、507人が増加しました。総医師数は5000人を超え、人口10万人当たりでも全国平均を上回っており、九州地方の他県と並んで充足度は高いといえるでしょう。医療施設の数に注目すると、2004年の病院数が223(人口10万人当たり12.1病院(全国平均7.1))であったところ、2018年に214(人口10万人当たり12病院(全国平均6.6))となり、14年間で9病院が減少しました。また、2004年の診療所数が1485(人口10万人当たり81診療所(全国平均76))であったところ、2018年に1463(人口10万人当たり82診療所(全国平均80))となり、22診療所が減少しました。医療施設に関しては、人口10万人当たりの病院数は全国平均を大きく上回っているものの、診療所数はほぼ全国平均レベルです。熊本県では高齢人口が増える一方、その療養を支える世代の人口減少が著しく、地域社会の「介護力」を支える在宅医療関連の求人は今後も増えていくとみられます。熊本県には11の二次医療圏がありますが、人口の約4割が熊本医療圏に集中しており、その他のエリアとの間で医療提供体制の格差が生じています。
(出典:日本医師会総合政策研究機構「地域の医療提供体制の現状(2020年)」)