神奈川県の医療提供体制の推移としては、2004年に病院と診療所合わせての総医師数が1万5209人(人口10万人当たり173人(全国平均212人))であったところ、2018年に1万9492人(人口10万人当たり214人(全国平均245人))となり、4283人が増加しました。総医師数は14年間で4000人以上増加し、2万人に迫っているものの、人口が多いだけに、人口10万人当たりでは全国平均を大きく下回っています。医療施設の数に注目すると、2004年の病院数が357(人口10万人当たり4.1病院(全国平均7.1))であったところ、2018年に340(人口10万人当たり3.7病院(全国平均6.6))となり、14年間で17病院が減少しました。また、2004年の診療所数が5977(人口10万人当たり68診療所(全国平均76))であったところ、2018年に6739(人口10万人当たり74診療所(全国平均80))となり、762診療所が増加しました。医療施設に関しては病院不足が顕著であり、全国平均に遠く及んでいません。一方、診療所の数に関してはまずますのレベルにあります。転職に関連する事柄としては、神奈川県では今後全国平均をはるかに上回る速さで人口高齢化が進行していくと予想されており、高齢者医療の需要が高まるとともに、医師に限らず医療人材の不足が危惧されていることが挙げられます。神奈川県は、平成24年に「医療のグランドデザイン」を策定し、県の課題解決に向けた方向性と具体的な取り組みを示しています。
(出典:日本医師会総合政策研究機構「地域の医療提供体制の現状(2020年)」)