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尿に関する英語表現

「残尿感」や「尿意切迫感」という症状の有無を患者さんに質問する場合、皆さんはどのような英語表現を思いつきますか?辞書やインターネットで調べて専門用語は見つかるとしても、それをどのように患者さんに質問するかとなると戸惑ってしまうのではないでしょうか?そこで今月は「カルテに表記するための専門用語」と「患者さんへの質問表現」に分けて、いくつか代表的な尿に関する英語表現をご紹介します。

では下記の症状に関して、それぞれ「カルテに表記するための専門用語」と「患者さんへの質問表現」を考えてみてください。

  1. 1.血尿
  2. 2.頻尿
  3. 3.残尿感
  4. 4.尿失禁
  5. 5.排尿困難
  6. 6.尿意切迫感

いかがですか? では順番にご紹介しましょう。

1.Gross hematuria: “ Have you noticed any changed in the color of your urine?”

日本の臨床では「尿」にドイツ語由来の「ハルーン」というカタカナ表現がよく使われますが、英語では urine となります。-uria で様々な「尿」に関する専門用語が表現され、「タンパク尿」はproteinuria、「乏尿」は oliguria( oligo- は「少ない」という意味です)という専門用語でそれぞれ表現されます。「血尿」は血液を表す hemato- を用いてhematuria となりますが、患者さんが気づくような「肉眼的血尿」はgross hematuria や macrohematuria( 「顕微鏡的血尿」はmicrohematuria) と表現されます。患者さんにこの血尿の有無を質問する場合には、例文のように「尿の色の変化」に注目すると伝わりやすいでしょう。

2.Urinary frequency: “ Have you noticed any change in your urinary habits?”

「頻尿」には pollakiuria という専門用語もありますが、urinaryfrequency の方が一般的です。患者さんに質問する場合には「尿の回数」を聞いても答えにくい場合があるので、例文のような質問から始めて、そこから具体的な質問を続けていくとよいでしょう。

3.Incomplete voiding: “Do you feel that you haven’t completely emptied your bladder after urination?”

to void とは「空にする」という意味の動詞です。患者さんに質問する際には to void よりも to empty というような、よりわかりやすい表現を使うとわかりやすいでしょう。

4.Urinary incontinence:“During the last three months, did you leak urine?”

continenceは「制御できている状態」というイメージの表現で、その反意語のincontinenceで「失禁」という表現になります。患者さんに質問する際には例文の「この3ヶ月の間」のように、期間を区切って質問する方が親切な表現となります。

5.Dysuria: “Do you have any difficulty in urinating?”

dysuria は「尿が出づらい」と「排尿時に痛みがある」という2つの意味を包摂した表現です。前者の専門用語には urinary hesitancy が、そして後者の質問表現には例文の他に “Does it hurt when youurinate?” などがあります。また「排尿後尿滴下」の専門用語としてはterminal dribbling がありますので、こちらもチェックしておきましょう。

6.Urinary urgency:“Is it difficult for you to hold urine when you get the urge to go?”

urgeは「強い衝動」、そしてurgencyは「強い衝動のある状態」というイメージです。患者さんに質問する際には “Do you have urinary urgency?”よりも、例文のように「おしっこしたいと感じた時でもトイレまで我慢できますか」のように質問する方がわかりやすいでしょう。