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ポスター発表での英語表現 Part1

初めて国際学会で研究発表をする場合、「大勢の聴衆を前にした口頭発表はハードルが高いので、まずはポスター発表からやってみよう」と感じる方が多いようです。しかし、日本人の先生方のポスター発表を見ていると、いささか「固すぎる」表現が多いように感じます。そこで今月から2回にわたって、皆さんのポスター発表に使える自然で汎用性の高い英語表現をご紹介します。

まずはそれぞれの場面で、皆さんならどのような英語表現を使うか考えてみてください。

  1. 1.ポスターに興味を示している人に話しかける時の表現
  2. 2.ポスターのタイトルを説明する時の表現
  3. 3.自己紹介をする時の表現
  4. 4.結論を伝える時の表現

いかがでしたか? では順番にご紹介致します。

1.“ Hello, how are you? I’m the author of this poster. Are you working in this field?”

大勢の人が行き交うポスター会場で、皆さんのポスターに興味を示している人に話しかける時に役に立つ表現です。見知らぬ人に “Hi,how’s it going?” や “What’s up?” などは、英語を母国語としない人が使うにはいささかカジュアルすぎます。またいきなりポスターのタイトルから語っても、同じ専門の人以外は興味をなくしてしまう可能性もあります。 “Are you working in this field?”「 同じ分野の方ですか」と話しかけられれば、言われた方も何かしら返答をするはずです。そうすれば残りの話も聞いてもらえる可能性が高いと言えます。いきなりポスターのタイトルから話し始めるのではなく、是非このようなテクニックを使ってみてください。

2.“Our study focused on (topic).”

よく見かけるのがポスターのタイトルをそのまま読み上げるというケースです。タイトル自体はポスターに書いてあり、聴衆もそれを見ているので、同じものを読み上げる必要はありません。また聴衆は発表者と同じ専門領域とも限りません。まずは「私たちはこのようなトピックに焦点を当てた研究をしました」という表現で説明した方が、聴衆もイメージをしやすいと言えます。

3.“My name is(yourname),I'm from the(division) at (hospital) in Japan,and I'm the principal investigator of this study.”

ここまで話した後で発表者の名前と authors’ affiliations「 著者の所属機関」を紹介するといいでしょう。ただし国際学会での聴衆は日本の地名に詳しくないことが一般的ですので、具体的な都道府県や市町村などは口頭では述べずに、シンプルに「日本からの研究者です」と述べるにとどめるといいでしょう。 また主任研究者は英語ではprincipal investigator (PI) と呼ぶのが一般的ですので、こちらも覚えておいてくださいね。

4.“The major finding of this study is that(conclusions).”

聴衆は要点を知りたくてウズウズしているので、この時点で研究の結論を述べましょう。ただいきなり “The conclusions of this study is that...” と言ってしまうと、やや性急過ぎる感じもします。そこでまずはタイトルの部分を示しながら “The major finding of this study is that (conclusions).” と言って、結論部分を簡潔に述べるといいでしょう。この場合、 “The major finding of this study was that (conclusions).” のように、be動詞は過去形にはしません。というのも結論自体は普遍的なことであり、いわゆる「時制の一致」には影響を受けないのです。

いかがでしたか? 次回はポスター発表として研究の「目的」「結果」そして「考察」の部分に関する口語表現をご紹介致します。お楽しみに!