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排尿に関する英語表現

患者さんに尿を取ってきてもらうときには、日本では「お小水」という言葉を使いますよね?
このような場面では英語でも同じように“water”を使います。また「トイレに行く」という単純な行動にも、じつに多くの英語表現が存在します。
そこで今月はそんな「おしっこ」に関する表現をいくつかご紹介します。

“I’m going to see a man about a dog ?”って何?

以下の文章の意味を下線部に注意して考えてください。

  • “ Where is the loo?”
  • “ I'm going to powder my nose.”
  • “ I'm going to see a man about a dog.”

「トイレはどこですか?」

looとはオーストラリアなどを含むイギリス連邦The Common wealth Nationsで使われる表現で、「トイレ」を意味します。このlooはイギリス連邦でしか使われません。日本でおなじみのtoiletもイギリス連邦ではよく使われますが、北米ではむしろwashroomが一般的です。またbathroomには個人宅のトイレ、restroomには公共のトイレというイメージがありますが、このあたりは使う人もあまり厳密に区別していないのが実態です。

「 ちょっとお化粧直してきます」

to powder one’s noseは「化粧直しをする」という表現で、日本語と同じように「トイレに行く」という意味で使われます。もちろんこれは女性限定の表現で、通常男性は使いません。同じように女性限定の表現としてはto go to freshen upというものもあります。また英国ではその昔、公衆トイレにコインが必要だったことから、“Can I spend a penny?”で「トイレに行って来ていいかしら?」と表現する中高年女性も見られます。

「ちょっくらトイレ行ってくるわ」

これはオーストラリアの男性にしか使われない表現で、アメリカやカナダの方がこれを聞いても「何のこと?」と思われるでしょう。男性が主に使う表現としては、この他にもto take a leak「ションベンをする」といった表現もあります。医師が患者に使うような表現ではありませんが、患者さんが使ったときにはわかるように準備しておきましょう。

「お小水」を英語で言うと?

  • “I have a problem with my waterworks.”
  • “ I suffer from dribbling after urination.”
  • “ Discard the first flow and collect the next part filling the cup to the line.”

「 おしっこの調子が良くないんですよ」

次は少し「排尿」の表現を見ていきましょう。医師が使うものとしてはto urinateがいちばん無難ですが、このほかにも日本語の「お小水をする」にイメージが近いto pass waterという表現も覚えておきましょう。これらを覚えると「おしっこをすると痛いんです=It hurts when I urinate/pass water.」のようにいろいろな表現が使えるはずです。また例文のwaterworksは「排尿にかかわる器官」のイメージで使われますので、こちらも質問をする際などに重宝する表現です。

「おしっこの後の尿漏れで困っています」

排尿障害にも“I find it hard to pass water.=尿が出づらいんです”のようにいろいろな表現があります。例文のto dribbleは「チョロチョロと流れる」というイメージで、「外出の際に少し漏らしてしまうんです=I leak when I go out.」と同じように「尿失禁=urinary incontinence」の表現として使われます。

「 最初の尿は捨てて、その次の尿をコップの線のところまで採ってきてください」

最後は尿検査=urine analysis(UA)に関する表現です。尿の検体=urine sampleとしては「中間尿」が適切ですが、それを指示したい場合は例文のような表現を使うとよいでしょう。また尿検査で使う試験紙のことはtest stripといいます。Stripというと「服をはぎ取る」というイメージが先行しがちですが、もともとは「ストライプ/縞模様」を意味するstripeと同じ語源の単語です。このように単語それぞれの本来のイメージを豊かにしておくと、使われる場面によってどんな意味に変わるのか予想がつきやすくなります。