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耳に関する英語表現

耳鼻科の先生“otorhinolaryngologist”“ENT doctor”以外の皆さんも、日常的に「耳」に関する表現を使うことがあると思います。
「耳が遠くなった」「耳垢がたまっている」「ブーンという耳鳴りがする」……。
これらは日常的にも使われる表現ですが、英語となるとちょっと考えてしまう方も多いのではないでしょうか。

いくつ言える?耳鳴りの表現

次の3つの文章を、下線部に注意して英訳してください。

  • 「最近耳が遠いんです」
  • 「この子、耳を引っ張ったりしてぐずるんです」
  • 「ブーンという耳鳴りがするんです」

Recently, everything sounds further away.

日本語では聴力が低下することを「耳が遠くなる」と言いますが、英語では「音が遠くに聞こえる」と表現します。このほかにもたとえば「右耳が詰まって聞こえにくいんです」“I've got muffled hearing in my right ear.”や、「聴力がだんだん悪くなってきているんです」“My hearing is getting deteriorating.”、「声がこもって聞こえます」“Voices sound blurry.”といった表現もよく使われるので、覚えておいてください。

My child is fussy tugging at the ears.

子どもに多い中耳炎“otitis media” “middle ear infection”では、「耳の痛み」“earache”のような症状をはっきりと表現することができないため、例文のような表現が診断のために重要になります。また「ドロッとした黄色い液体が耳から出ます」“Thick and yellow fluid comes from the ear.”のような表現も、中耳炎の診断では大切ですので、日本語からでも英語からでも使えるようにしてください。

I can hear a buzzing in my ear recently.

「耳鳴り」“tinnitus”には、英語でもじつにさまざまな表現があります。例文と同じ低い音としては、「ゴー」“roaring”が、そして高い音としては「キーン」“screeching” “ringing”や「シュー」“hissing”といった表現があります。“tinnitus”の診断には音の高低が重要なわけですから、患者さんの英語表現がいまいちよくわからない場合は、“Is it a low-pitched/high-pitched sound ?”と聞けばいいでしょう。

「耳垢」?「耳掃除」?「点耳薬」?

では、同じように下線部に注意して英訳してみてください。

  • 「では耳の診察をしますね。イスを回してください」
  • 「これは耳垢がたまっているのが原因ですね」
  • 「では点耳薬を出しておきますので、悪いほうの耳に1日3回さしてください」

では、同じように下線部に注意して英訳してみてください。

I'm going to look at the ear. Could you twirl around in the chair?

「診察する」と言うときに“examine”を使いたくなりますが、会話ではもっと簡単な“look at” “take a look at”などがよく使われます。また、日本の病院では患者さんが回転イスに座るのが一般的ですが、それに座っている患者さんに向きを変えていただくときには、例文のような表現が便利です。

This is due to a build-up earwax.

 「耳垢」“earwax”などは大学の授業でもあまり扱われないため、パッと出てこない方も多いのではないでしょうか。関連する単語として「耳かき」“earpick”、「耳掃除をする」“to clean one's ear”なども意外と言えない方が多いのでチェックしておいてください。

I'm going to give you some eardrops. Please put it in the ear three times a day.

この表現も、知っていないとなかなかパッと出てこないものでしょう。「点耳薬」も「目薬/点眼薬」“eyedrop”と同じように“eardrop”でいいのです。あわせて、「耳鏡」“otoscope” “auriscope”、そして耳鼻科の先生のアイコンとも言える「額帯鏡」“head mirror”などもこれを機会に覚えておいてください。