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ストレスに関する英語表現

読者の皆さんも仕事に忙しく「最近ストレスがたまっているんだよね」“I've been stressed out a lot lately.”ということがありますよね。
多くの疾患の原因によく挙げられるストレスですが、英語にもストレスやジレンマに関する表現はたくさんあります。
そこで今月はこのストレスに関する英語をいくつかご紹介しましょう。

“in a pickle”?“snowed under”?

次の文章の意味を下線部の表現に注意して考えてください。

  • I did this as a favor to the patient, now he has complained. So I am in a pickle.
  • I tried to talk to my patient but she wouldn't listen, I am at my wits' end?
  • I'm snowed under with work at the moment?

見慣れない表現が多かったと思いますが、いかがでしたか?

「 患者さんによかれと思ってやったのに、文句を言ってくるんだ。もう困っちゃうよ」

“pickle”は日本語では複数形の“pickles”「ピクルス」で知られる漬け物のことです。人間が野菜と同じように酢漬けの状態になるのは好ましい状況ではなく、“in a pickle”で“in trouble”、つまり「困った状況になる」という意味になります。

「 患者さんに話そうとしたんだけど全然聞いてくれないんだ。もうどうしていいかわからないよ」

「ウィットに富んだ」というように、“wit”は「その場の状況への対応力」という名詞ですから、“at my wits' end”で「どう対応していいかわからない」という意味になります。似た表現として“to have one's back against the wall”「壁に背中をつけるように追いつめられた状況にある」があります。

「今、仕事で超忙しいんだ」

 直接ストレスにつながるかどうかはその人にもよりますが、「多忙」にはさまざまな表現があります。“snowed under”は「雪で押し潰されている」、つまり「仕事でぐしゃっと潰されている」という表現です。他にも“I'm drowning in paperwork right now.”「事務仕事で溺れる」、“I'm up to my neck in it.”「首の高さまで仕事を抱える」といった表現があります。イメージが微妙に違うので、うまく使い分けてください。

“Catch-22 situation”ってどんな状況?

  • I want to quit this job. But I don't want to talk to my boss about it. I'm in a typical Catch-22 situation.
  • A young couple were accused of attacking a truck driver in a fit of road rage.

どちらも知らなければわからない表現かもしれませんね。

「 この仕事を辞めたいけど、そうかといってそのことで上司に話すのも嫌だし……。本当にジレンマだよ」

 これはアメリカの小説『Catch-22』から生まれた表現です。主人公は精神障害を理由に空軍からの除隊を申し出るのですが、上司から「精神障害を持っていると判断できるならお前の精神は正常だ」と反論され申請を却下されます。ここから「互いに反するものに板挟みになっている状況」を“Catch-22 situation”と呼ぶようになったのです。

「 運転中に突然逆上した若いカップルが、トラックの運転手を殴ったとして起訴された」

“rage”というのは「激しいもの」というイメージで、「激怒」や「熱狂」という意味で使われます。「ブレイクする」も“to become all the rage”と表現できます。“road rage”はアメリカで生まれた表現で、「車の運転中にキレる」という意味です。転じて“air rage”「飛行機に乗っているときにキレる」、“wrap rage”「包装を開けるときに上手くいかなくてキレる」などいろいろな派生表現が生まれています。また、“fit”も“having a fit”だけで「突然怒り出す/感情のコントロールができなくなる」という意味になりますので、これを機会に覚えておいてください。