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子どもの病気に関する英語表現

読者の皆さんには「英語で外国の医師とは会話ができるが、幼稚園児とはまったくコミュニケーションがとれない」というご経験はありませんか。
それくらい子どもとの英会話は難易度が高いのです。また、子どもの病気に関してはじつにいろいろな慣用表現があり、それを知らないと親御さんとの会話でも苦労してしまいます。
そこで今月は、子どもの病気に関する英語表現を紹介いたします。

「水ぶくれがかさぶたになる」の英訳は?

次の3つの文章を下線部に注意して英訳してみてください。

  • 「水ぶくれが全部かさぶたになったら学校に行かせてもいいですよ」
  • 「首が据わりましたか?」
  • 「『おしっこ』『うんち』等、便意を自覚できますか?」

Your child can go back to school when all of the blisters have dried up and scabbed over.

もちろん、これは「水疱瘡」“chickenpox/varicella”に関する表現で、「水疱が痂皮化する」状況を正確に表しています。
感染症に関しては、「風疹」“rubella/German measles”や「百日咳」“pertussis/whooping cough”、「突発性発疹」“roseola/three-day fever”や「伝染性紅斑(リンゴ病)」“erythema infectiosum/slapped cheek disease”など、専門用語と一般用語の2つの名称を覚えておく必要があります。

Does your baby hold his/her head upright?

これは健康診断でよく使う表現ですね。状況をそのまま英語にすれば表現できるでしょう。「あやすとよく笑いますか?」という質問も、“Does your baby laugh or smile when you touch or hold him/her ? ”のように英訳できると思います。

Can your child say“pee-pee”or“poo-poo”when he/she wants to do that?

「赤ちゃん言葉」は、実際に使われる場面を経験しないと難しいですね。日本語に対応する表現がないものもあるのでご注意を。

“BRAT diet”ってどんな食べもの?

では、次に下線部に注意して和訳に挑戦してください。

  • He can start a BRAT diet if he is weaned from formula or breast milk.
  • They are the tips for dealing with the tantrums and the terrible twos.
  • Infants with this disease might be misdiagnosed as having teething problems.

「 離乳しているなら、柔らかくて消化にいいものを食べ始めてもいいですよ」

“BRAT”は柔らかくて消化もよい“Banana”“Rice cereal”“Applesauce”and “Toast”の頭文字で、離乳食としてだけでなく、下痢やつわりのときの食べ物として勧められている、「おかゆ」に匹敵するものです。また“brat”には「悪ガキ」という意味もあるので注意してください。

「 こうすればお子さんの癇癪や『魔の2歳』も乗り切れますよ」

“tantrums”は“temper tantrums”とも呼ばれ、「癇癪」を意味します。英語圏では2歳の子どもはよくこのtantrumsを起こすので、terrible twoというイメージが定着しています。ですから“I am two ! ”と言えば、「私は2歳の子どもみたいにやんちゃなのよ!」という意味になるわけです。

「この病気のお子さんの症状は、乳歯の生え始めに伴うものと誤診されやすいんですよ」

これも、英語圏でのイメージに関する表現です。英語圏では乳歯が生えること“teething”に伴って、子どもが熱や下痢などいろいろな症状を呈すると考えられていて、その時期の熱や下痢を“teething fever/diarrhea”と呼んでいます。ここから“teething problems”「物事を始めるときに出てくる諸問題」というイディオムも生まれ、“Our new hospital is still having a few teething problems, but everything should be fine soon.”のように使われます。