更年期の相談とは? 患者の声「電話健康相談」特集

※「ジャミックジャーナル」は2011年10月号より「ドクターズキャリア マンスリー」にリニューアルされました。

もっと聞きたい!患者のホンネ 保険同人社・電話健康相談より

なんでも更年期のせいにしないで

第11回

40歳以上の女性からの電話相談内容

薬に関しても、患者とのコミュニケーションが重要

看護師●田口真理子

更年期の女性は、検査だけでは判断できない

 40歳以上の女性からの相談も、弊社の電話健康相談には多く寄せられています。
昨年度は全体の4分の1を占める3万3,562件ありました。
 40歳以上といえば更年期の問題が起こりやすい時期です。実際に更年期の相談として電話をいただいたケースは229件でしたが、他にも「めまい」「手足がしびれる」「月経異常」など、更年期症状と思われる相談が多数ありました。ここではドクターと関係の深い受診後の相談について紹介しましょう。
 更年期の女性が最初に受診するのは、たいてい地域のクリニックです。その症状の訴えは不確かで経過が長く、いろいろな診療科をめぐり歩いていることもしばしばです。そして最後は、「更年期だから仕方がないですね」と言われ、検査すらしてもらえなかったというお話から始まる相談を私たちは経験します。
 あるいは、検査は受けたけれども、数値に異常がなかったため、「少し様子をみましょう」と取り合ってもらえなかったと話されることもあります。明確な症状があってQOLが大幅に低下していても、検査で異常のない症状は、治療対象としてもらえず、放置されたような気持ちになってしまうようです。
なかには、ひどいめまいにより、救急車で搬送されたのに、MRIに異常がなかったのでなんの処置もできずそのまま家へ帰されたケースもありました。また、検査値に異常がないといわれたものの、症状が改善しないので再び同じクリニックを受診したところ「前も言ったでしょ」と厳しい口調で叱られたという女性もいました。
 更年期医療は、検査値とは別の側面からフォローしていく必要があることを日々の相談を受けていて痛切に感じます。一方で、ホルモン補充療法に対する相談も多く寄せられます。とくに、乳がんに対するリスクを気にされ、「できれば受けたくない」という声が多数を占めます。また、ホルモン補充療法を始めたものの、2日目に胸に張りを覚え「これは乳がんでしょうか」と相談にこられた方もありました。服薬に対する基本的な知識がうまく伝わっていないのでしょう。
 こうした方たちは、異口同音に「どのように質問してよいのかわかりません」とおっしゃいます。月経周期すら把握していない方々が、テレビで聞いた断片的な情報をもとに、ホルモンの説明を理解することは困難で、「うまくわからなかったけれど、先生も忙しそうなので帰ってきました」という声もありました。

患者さんが次の一歩を踏み出すきっかけを

 ドクターの側もおそらく、更年期世代の女性の対応に困っている部分が多いのでは ないでしょうか。
 更年期の女性は概して、話の内容が未整理で、回りくどい話を繰り返す傾向にあります。それでも、私たちが根気強く話に耳を傾けて聞いていると、最後は「こんなに自分のことを話すことができたのは久しぶりです」と明るい声で電話を終えられる場合がほとんどです。自分の苦しさを吐露できたことですっきりするのでしょう。
 もちろん、忙しいドクターにそれを求めるのは無理でしょう。しかし、短い時間でも患者さんの話に耳を傾けていただき、「大変でしたね、がんばりましたね」と、やさしい言葉をひと言かけてくださると、それだけで多くの患者さんは満足し、気持ちがぐっと明るくなります。
 また、検査値に異常がないときも、更年期の可能性を考え、専門の医療機関を紹介していただければ、患者さんは次の一歩を踏み出すことができます。
 婦人科に行くのをためらう女性も多いですが、婦人科の看板やHP上で『更年期治療を行っています』と謳ってくださると、受診しやすくなると思います。
 さらには、更年期の症状やホルモン補充療法についてわかりやすくまとめた冊子やパンフレットなどを用意していただけると、患者さんも助かりますし、ドクターの負担もかなり軽減されるのではないでしょうか。

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※当記事はジャミック・ジャーナル2010年2月号より転載されたものです
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