処方された薬についての相談とは? 患者の声「電話健康相談」特集

※「ジャミックジャーナル」は2011年10月号より「ドクターズキャリア マンスリー」にリニューアルされました。

もっと聞きたい!患者のホンネ 保険同人社・電話健康相談より

本当に必要な薬以外は飲みたくない

第10回

処方された薬についての電話相談内容

誰にも言えない更年期の悩みを深くうかがう

看護師●川杉貴代

継続的な服薬に対し、抵抗感を持つ人が多い

 2008年度に弊社の電話健康相談に寄せられた「薬に関する相談」は、1万6,870件ありました。そのうち、7割以上は受診中の方で、薬に対する“不安”についてアドバイスが欲しいという声が多数を占めました。なかには、主治医に相談して「大丈夫ですよ」と言われたにもかかわらず、本当に大丈夫なのかを確認したくて電話をかけてきた方もいらっしゃいました。
 疾患別では、慢性疾患を持つ中高年の方、メンタル疾患を持つ方、感染症に罹患しているお子さんを持つ親御さん、妊娠・授乳中の方などが主でした。
 このうち、慢性疾患を持つ中高年者からは「薬の服用が本当に必要なのでしょうか」「一度飲み始めたら途中でやめられないのではないか」「症状が改善したので薬を中断してもいいですか」といった声がよく聞かれました。自覚症状のない患者さんにとっての継続的な服薬は抵抗感を持ちやすいことがうかがえます。
 そのほか、「食後とは何分後のことか」「処方薬と市販薬(またはサプリメント)の併用は問題ないか」「薬の使用期限や有効期限はどのくらいか」「睡眠薬や安定剤の常習性・依存性について知りたい」など、相談内容は実に多彩です。ステロイドやワクチンの安全性・副反応に関しての相談も多く寄せられました。

ドクターと患者さんの、薬に対する意識のギャップ

 相談のなかでは、ドクターの処方の仕方に対する不満の声もしばしば耳にします。たとえば、自分の訴えや不安を十分に聞いてもらえないまま「とりあえず薬を出しておきます」とドクターに言われ、戸惑っている方が少なくありません。
 ドクターとしては「まず薬を飲んでもらって少し様子を見よう」という方針であっても、それが十分に説明されていないと、患者さんは不安を抱いたまま帰宅し、次の受診日まで悶々とした気持ちで過ごすことになります。これでは薬を飲む気にもなかなかなれないわけです。
 また、「ドクターから『私の指示どおりに薬を飲めないのならもう来なくていい』と言われた」「ジェネリックの処方を頼んだら嫌な顔をされた」という声も聞かれて います。
 いずれの場合も、結局、ドクターと患者さんとのコミュニケーションの重要性が問われているように思います。
 そもそも、患者さんの多くは「できるだけ服薬したくない」と考えています。経済的な負担もさることながら、副作用や薬害がどうしても気になるようです。一方でドクターは、服薬によるコントロールの状況を確認しながら治療を行います。治療方針の共有ができていないと、残念ながら、両者の間には深い溝ができてしまうことになります。その溝を埋めるのが、私どもの大切な役割の一つです。
 薬に対して過剰な不安を抱いている方には、まず十分にお話をうかがったうえで正しい情報を伝え、今の状況を受容するお手伝いをします。そして、ドクターとうまくコミュニケーションがとれるようにサポートしていきます。
 たとえば、忙しいドクターに対し、一度に多くの質問をぶつけるのではなく、優先順位をつけて具体的に質問するようにアドバイスし、診察室で緊張してしまう人には、事前に質問事項を紙に書き出してもらい、診察時にドクターに渡すように伝えます。
 できればドクターのほうからも、薬を処方されるときに、服用の理由や必要性についてわかりやすく説明していただき、最後に「薬の必要性が理解できましたか?」と声をかけていただけると、患者さんはずいぶん話しやすくなるはずです。
 同時に「他の病院や診療科で処方されている薬はありませんか?」と確認してもらえますと、薬の重複を減らすうえでも大変効果的と思われます。
 ちなみに、私どもは相談者の方に“お薬手帳”の活用や“かかりつけ薬局”を持つように啓発しています。近所に薬についてなんでも相談できる薬剤師がいれば、ドクターの負担軽減にもつながると考えています。

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※当記事はジャミック・ジャーナル2010年1月号より転載されたものです
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