医療法人 徳洲会 鹿児島徳洲会病院

「病院新築移転」という目標に向け、
結束を促す

新院長・池田佳広氏によって、短期間で医業収益のV字回復を遂げた鹿児島徳洲会病院。その改革手法をレポートしてきた連載の最終回は、病院改革を担う職員の「意識改革」と、その原動力となり、また改革の結実ともいえる「病院新築移転」について紹介する。

池田 佳広
鹿児島徳洲会病院 院長
●1999年/札幌医科大学医学部卒業、同附属病院第二内科勤務 ●2000年/旭川赤十字病院循環器内科 ●2002年/函館五稜郭病院循環器内科 ●2003年/帯広協会病院循環器内科 ●2005年/道央病院 ●2006年/北海道立江差病院循環器内科 ●2007年/新日鐵室蘭総合病院(現・製鉄記念室蘭病院) ●2010年/東大宮総合病院(現・彩の国東大宮メディカルセンター)循環器内科 ●2013年/国際医療福祉大学大学院にてh-MBA取得 ●2014年/宇和島徳洲会病院院長 ●2018年/鹿児島徳洲会病院院長就任

池田 佳広氏

システムだけでは組織は動かない
職員が一丸となれる目標を示す

かつて宇和島徳洲会病院で病院改革の成果をあげた池田佳広氏は、2018年に鹿児島徳洲会病院の院長に就任。同院でも、短期間で大きな変化をもたらした。

本誌3月号で紹介した「入院患者数の増加による経営の改善」では、ケアミックス型病院である同院の立ち位置を俯瞰し、〝地域が必要としていること〟を模索。自ら積極的にアプローチし、地域とのミスマッチを解消することで入院患者数を増やし、収益をV字回復。収益を医療に還元し、良いスパイラルを生み出した。

7月号掲載の「院内業務の効率化」では、職員の役割分担・配置転換で必要な分野にマンパワーを配分。数値の可視化による現状把握、タスクの明確化、業務手順の効率化等を図ることによって、「自ら動ける組織」へのシステムづくりを進めた。

しかし、システムをつくるだけでは組織は動かない。病院改革の担い手である「人」の意識を変えることが重要なのだ。

「収益がなかなか上がらないと、全体の雰囲気も沈みがちです。私が着任した時は、病院に元気がないように見えました」

そこで池田氏は、職員の意識改革を行うため、同じ方向を向いて取り組める明確な目標を提示した。それが、「病院新築移転」だ。同院は開院から30年以上経ち、構造が現在の医療状況と合わなくなっていたり、動線に不便があったり、駐車場の確保が難しかったりと様々な課題が顕在化していた。5年程前から建て替えの必要性はいわれていたが、収益が上がらず実現には至っていなかった。

「着任し病院改革を始める際に、まず〝何ができていないか〟というネガティブな指摘ではなく、〝新病院建設のために改革しよう〟と、ポジティブな目標を示しました。患者さんのためにも、働く職員のためにも、今の環境は良いとは思えない。しかし現状では新病院は建てられない。だから、皆で頑張って経営を良くしましょう、と呼びかけたのです」

医療に携わる者ならば、自分たちの手で新病院をつくるということは大きな魅力だ。この明確な目標が職員の意識を変え、モチベーションを高め、病院改革のスピードは加速した。

「職員が一丸となれば病院改革はできると最初からわかっていました。今では院内に活気がでて、徳洲会本部から訪れた人に、雰囲気が変わったと驚かれます」

病院改革が軌道に乗った結果
2021年の病院新築移転が実現

病院改革が軌道に乗り、収益が安定した同院は、鹿児島市の中心部から南へ約8キロ離れた谷山地区へ新築移転することが決まった。同地区は人口16万人程、月に約5,000件の救急搬送があるが、その半数は約20分かけて市内中央部の病院へ搬送されている。そのため、新病院では地域の要望を汲み、急性期医療とリハビリテーションを強化。さらに離島・へき地医療の基幹病院としての機能を加え、三本柱とする予定だ。2019年末には着工し、2021年9月の診療開始を目指して、現在着々と準備が進んでいる。

新病院の立ち上げにあたっては、新たな人材の力も必要だ。池田氏は、共に地域医療を推進してくれる意欲のある医師に、ぜひ来ていただきたいという。

「新病院に切り替わるタイミングを経験できるのは、一生に一度あるかどうか。非常に面白いと思います。そして完成後は機能的できれいな病院で、存分に力を発揮していただけます」

同院では医師事務等の職員の動きが良く、医師が非常に働きやすい環境だ。また、科や医師同士の垣根はなく、気軽に相談や頼みごとができる雰囲気がある。各人の事情に合わせて働き方は自由に選べ、当直免除や時短勤務等も相談できる。希望があれば、h-MBA(医療経営学修士)を持ち、複数の病院改革を成功に導いた池田氏から、病院経営や改革のコツを学ぶことも可能だ。

「徳洲会グループは患者さんのためになることであれば、新しいことに挑戦させてくれる懐の深さがある。自分が望む医療が実現できる環境が整っています」

病院改革の成功を経て、新たな一歩を踏み出す鹿児島徳洲会病院。この稀有なタイミングを経験することは、今後のステップアップのための大きなチャンスだ。

設立 1987年4月1日
職員数 481名(2019年4月1日時点)
許可病床数 310床
診療科目 内科・循環器内科・消化器内科・呼吸器内科・腎臓外科・肝臓内科・外科・消化器外科・整形外科・形成外科・脳神経外科・泌尿器科・肛門外科・放射線科・リハビリテーション科・麻酔科・精神科・救急科・ペインクリニック内科
センター 透析センター、健康管理センター
所有機器 MRI(1.5T)、CT、循環器用X線透視診断装置
指定病院 DMAT指定医療機関、厚生労働省指定基幹型臨床研修病院、病院機能評価認定病院
認定施設 総合診療専門研修プログラム 基幹施設、内科専門研修プログラム 連携施設(大隅鹿屋病院・岸和田徳洲会病院)、外科専門研修プログラム 連携施設(鹿児島大学)、形成外科専門研修プログラム 連携施設(福岡徳洲会病院)、日本静脈経腸栄養学会 NST稼働施設

現病院屋上から見た桜島

2021年 谷山地区に新病院誕生!

新病院は大きな幹線道路に面しており、救急車がスムーズに出入りできるという好立地にある。建物は将来の変更や増床にも対応できるよう、拡張性のある仕様。障害者病棟の隣に透析室を配置、1階に外来・救急・放射線科を集約、職員スペースや医局は2階に設置するなど、医師や職員の動線に配慮したレイアウトを行う。

外観・内装は鹿児島らしさと“和”のテイストを取り入れたデザインで、ゆったりとした空間が患者にも職員にも心地よい、個性的な病院となる。

移転先:鹿児島市谷山地区(現在地より約8km南)
敷地面積:約2万8,000㎡(現在の約4倍)
病床数:310床
耐震構造 地上8階建
駐車場:400台

新病院設計・建築のコンセプト

DATA

  • 医療法人 徳洲会 鹿児島徳洲会病院
正式名称 医療法人 徳洲会 鹿児島徳洲会病院
募集科目 内・消内・外・整外・脳外
給与 年収1,400万円〜2,000万円(税込)※経験・希望を伺った上で決定。※固定残業代は給与に含まない。試用期間なし。
業務内容 外来及び、病棟管理。当直業務
経験 不問
勤務日数 週4〜5.5日
当直 3〜4回/月※応相談可 ※当直料別途支給
勤務時間 平日8:30〜17:00、土曜日8:30〜12:30
休日 年間休日110日(月8〜12日)
待遇 社会保険完備、医療費還付制度、学会加入、年会参加費用補助、託児所
勤務地 鹿児島県鹿児島市下荒田3丁目8-1(2021年秋より鹿児島市谷山地区へ移転予定)
交通 JR鹿児島本線「鹿児島中央駅」から車で約10分
TEL:
099-250-1110
HP:
https://www.kagotoku.jp/