宇和島徳洲会病院の挑戦3

地域医療に必要な「人」の育成に挑む。

超高齢社会を先取りする高齢者医療に取り組み、経営的視点で病院改革を進めている宇和島徳洲会病院。同院では今、これからの日本の地域医療に必要とされる「人」の育成にも挑戦している。シリーズ最終回となる今回は、その取り組みを紹介する。

「宇和島モデル」で示した
新たな地域病院のあり方

愛媛県の南西部に位置し、宇和海の恵みと明るい日射しに満ちた宇和島市に、2004年に開院した宇和島徳洲会病院。全国でもトップクラスを誇る生体腎移植の実績で名を馳せた同院は、貞島博通総長(当時の院長)を中心に“地域で一番の病院となる”ことを目指し、認知症診療、回復期リハビリ、ALS診療等の“地域の人々が本当に必要としている医療”の提供に注力してきた。

2014年にはh-MBA(医療経営学修士)を有する池田佳広氏が院長に就任、職員の意識改革から始まる経営改善を断行し、病院の体質を大きく変えた。その結果、徳洲会グループ72病院中43位だった月別医業利益率順位を、半年で1位に引き上げることに成功している。

このような「宇和島モデル」と呼ぶべき新しい地域病院のあり方に挑戦し続ける同院では今、「人」を一番大切に考え、その育成と職場環境の整備に心を砕いている。

「人」を一番大切にするという総長の貞島氏(前列中央右)、院長の池田氏(同左)を囲んで。この明るい医師と職員が、宇和島徳洲会病院の医療を支え、日本のこれからの地域医療のあり方に挑戦している。院内は宇和島地域ならではのアットホームで和やかな雰囲気で、野球部や地元の「牛鬼まつり」への参加などの活動も盛んだ。

年齢・経験に関わらず将来
のために学べる場がある

「当院では若い医師の育成に力を入れています」と語るのは院長の池田氏だ。

例えば、一般的な後期研修では、2年目の研修医は指導医について仕事を見て学ぶというケースが多い。しかし同院では、最初から主治医として患者を担当してもらうという。

「主治医として患者さんを診るということは、患者さんに対して責任を持つということ。指導医に何をしたらいいですか?と聞くのではなく、医師として自分は何をしなければならないのか?と考えることになり、非常に力がつきます。当院は症例数も多く、救急も月に60〜70人はとっています。様々な患者さんに主治医として対応し、ただ病気を治すのではなく、合併症をどうするのか、リハビリはどこまでやるのか、退院後はどこの施設に行くのか、受け入れる家庭の状況はどうか…といったことまで考えることで、本当の地域医療がわかってくるのです。もちろんバックアップは行いますし、最終的には病院が責任を持ちます」

また本年4月からは福岡徳洲会病院の内科を築いてきたベテラン総合内科専門医の筋浦立成氏が常勤医として入職。これからの日本の地域医療で必要となる内科の総合診療を、その道の大先輩から学べる環境も整った。

「若い医師にとっては将来のために学べる環境があり、中堅以上の医師にとっても総合診療の経験を積む場があるのが当院です」と貞島氏。

宇和島駅前のメインストリート。商店街に背の高いヤシの木が立ち並ぶ光景は南国ならでは。

独自の総合診療専門研修で
全国に通用する医師を育成

現在、国が進めている新専門医制度では、新たに“総合診療専門医”が誕生するが、これはまさにこれからの地域病院に必要とされる医師といえる。同院ではそんな新時代に通用する医師を育てるため、独自プログラムを作成した。

「特徴は都市型と地域型の病院をミックスしたプログラムであることです。2年間は都市型の福岡徳洲会病院または湘南鎌倉総合病院で総合内科、小児科、救急総合診療を学びます。3年目にいよいよ地域医療研修に入り、地域包括ケアシステムを展開できる当院で内科を中心とした総合診療と認知症の研修を積みます。半年間は離島・山間僻地・家庭医療の3つのコースを選択し、小病院で幅広い診療を体験します。様々な状況における様々な症例にどんどん当たっていただくことによって、総合内科をベースにした、臨床能力の高い総合診療専門医と認知症を診られる総合医を育てるのが私たちの狙いです」と貞島氏は語る。

「現在、医師不足で困っている地域が多くあります。当院を地域医療のできる医師を育てる基幹施設にして、ここから日本中に優秀な医師を送り出していくことを目指します」

また、池田氏も「20年後の日本は医師の数も減り、一人の医師が幅広く診なければならない時代になるでしょう。そういう意味では、他より一足先に高齢化が進む宇和島は、日本の未来を先取った地域。その宇和島で、病院経営をしっかり見られ、患者さんを総合的に診られる医師を育てることができれば、日本全国で通用すると確信しています」と語る。

「人」を大切にする病院で
本気で地域医療を目指す

同院の「人」を大切にする姿勢は、職場としての働きやすさにも表れている。医師同士は垣根なく気軽に相談し合え、職員も医師と共に一緒に病院を盛り立てていこうという意識の高さがある。無料の人間ドックや傷病手当、勤続表彰等、徳洲会グループならではの福利厚生の手厚さにも、心配りを感じられる。

「この良好な職場環境のもとで、高齢社会に対応する総合診療の経験を積み、病院経営を学び、人を大切にする心とはどういうものかを体験し、実感してほしい」と貞島氏。ここには地域医療を本気で目指す医師に必要なものが揃っている。

貞島 博通
宇和島徳洲会病院 総長
1981年 熊本大学医学部卒業、福岡徳洲会病院内科入職/ 1985年 北野病院(大阪)神経内科入局/ 1988年 福岡徳洲会病院内科医長就任、神経内科/ 1998年 福岡徳洲会病院副院長就任/ 2001年 垂水徳洲会病院院長就任/ 2004年 宇和島徳洲会病院院長就任/ 2014年 宇和島徳洲会病院総長就任

貞島 博通氏

池田 佳広
宇和島徳洲会病院 院長
1999年 札幌医科大学医学部卒業、同 附属病院第二内科勤務/ 2000年 旭川赤十字病院循環器内科/ 2002年 函館五稜郭病院循環器内科/ 2003年 帯広協会病院循環器内科/ 2005年 道央病院/ 2006年 北海道立江差病院循環器内科/2007年 新日鐵室蘭総合病院(現・製鉄記念室蘭病院)循環器内科/ 2010年 東大宮総合病院(現・彩の国東大宮メディカルセンター)循環器内科/ 2013年 国際医療福祉大学大学院にてh-MBA取得/ 2014年 宇和島徳洲会病院院長就任

池田 佳広氏

DATA

正式名称 医療法人 沖縄徳洲会 宇和島徳洲会病院
募集科目 内科・外科・整形外科・健診・麻酔科
業務内容 外来対応:週4~5コマ(1コマ患者数10~30名程度)、病棟管理:受持ち患者数10~20名程度(介護療養の場合は50名程度)、往診、手術等 ※科目により、異なります
給与 年収1,400万円~2,000万円(税込)
勤務日数 週4.5〜5.5日
勤務時間 平日8:30 ~ 17:00、土曜日8:30 ~ 12:30
当直 3 ~ 4 回(月)※応相談
休日 日曜日、祝祭日、年末年始休暇、夏期休暇等
待遇 雇用保険、労災保険、健康保険、賠償保険、学会費補助、医療費補助、赴任費用補助、借り上げ社宅制度等
診療科目 内科、循内、外科、泌尿、整外、他7科目
病床数 300床
医師数 常勤13人
勤務地 愛媛県宇和島市住吉町2-6-24
交通 JR「宇和島駅」から車で約5分 ★勤務条件等はご相談に応じますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
TEL:
0895-22-2811
HP:
http://www.uwatoku.org/