宇和島徳洲会病院の挑戦

「超高齢社会」の地域医療に挑む。

温暖な気候と海の幸に恵まれた宇和島市に、2004年に開院した宇和島徳洲会病院。同院では今、これからの日本が迎えるであろう超高齢社会を先取りする医療に、様々な角度から取り組んでいる。

 

ここで何が必要なのか?
地域に求められる意味を知る

開院当時院長だった貞島博通 現・総長

愛媛県の玄関口、道後温泉や松山城で有名な松山市から車で90分ほど、宇和海に面した温暖な気候と、みかんの産地で真珠や魚の養殖など豊かな海の幸に恵まれた宇和島市。宇和島徳洲会病院は、その海を目前に、背後には緑豊かな丘陵という立地に、2004年に開院した。

開院当初、院長として赴任した貞島博通総長は、「市内にはすでに3次救急まで対応し病床数600を超える市立病院と、社会保険病院(現・JCHO宇和島病院)がありました。しかし、開院から1年経った頃、急性期を過ぎ退院したものの、行き場がない患者さんが数多く当院に来院していることに気が付いたのです。そうか、この地域には急性期と在宅の中間施設が足りなかったんだ! 私たちには行き場のない患者さんの受け皿になるという、大きな役割があるんだ、とはっきりと意識しました」と、当時を振り返る。

高齢者が幸せに暮らせる
システムづくりを目指して

その後、宇和島徳洲会病院は腎移植を含めた泌尿器医療で名を馳せる。25床の移植病棟を有し、修復腎移植臨床研究も行う。生体腎移植の件数では日本で5本の指に入る程だ。同院ではこの泌尿器医療を柱としつつも、もう一つの柱として地域の人々が本当に望んでいる医療に注力していく方針を打ち出した。

「宇和島地域は都市部より急速に高齢化・人口減少が進んでおり、超高齢社会への取り組みが急務となっています。そこで必要となるのは、認知症を地域全体でどう診ていくのか、ということです」と貞島総長。同院では2009年に「物忘れ外来」を設置、疾患や症状を対象としたアプローチではなく、患者個人を対象としたきめ細やかなケアを行い、年々外来患者数を伸ばしている。今後は市とも連携を強化し、「認知症患者さんが地域で幸せに人生を全うできるシステムをつくっていきたい」というのが貞島総長の願いだ。

また、回復期リハビリにも力を入れており、回復期リハビリ病棟が1〜3のランク分けをされた時に、ランク1を取ったという実績もある。

「私は地域医療で一番大切なのは、実は予防だと思います」との総長の言葉通り、同院のリハビリを経て退院した人のための「リハビリ友の会」や、予防の大切さを知ってもらうための「医療講演会」なども精力的に開催している。「フレイルやサルコペニアなど、加齢に伴う機能低下を起こしている人は、一人暮らしや老老介護等で閉じこもってしまうと、段々弱ってしまいます。そういう方々が、楽しく、意欲的に体を動かせる場をいかに提供できるかを考えています。意欲を持つことによって、認知症も改善するのです。まずは、倒れないように、足腰を強くしようという運動から、力を入れていくつもりです」

宇和島は伊達10万石の城下町。宇和島城からは市街が一望できる。

社会の一員として生きるため
自立を支援するALS診療

同院では障害者病棟でのALS診療でも目に見える効果を上げている。ALS患者の自立と社会参加を支援することを目的に、多職種からなるALSチームを結成し、患者の自立を育む支援を行っているのだ。同院ではALS患者に対して、病気が進行する前に、体の一部の微細な動きで文字入力が可能な意思伝達装置の習得を勧めている。そのため言葉が発せなくなっても意思疎通が可能となり、患者自身が行政に申請依頼を出したり、家族や患者仲間とメールのやり取りをしたりすることができる。「ALS専門の医師による熱心な患者教育の賜物です。症状が軽いうちに、社会の一員として生きていけるよう、人に頼るよりも先に自分でできることを行うこと、つまり自立を促すのです」。そして、この取り組みがきっかけとなり、愛媛県では入院患者へ配布されていなかった意思伝達装置の受給が実現することとなった。

地域医療のあるべき姿を
宇和島から全国へ発信する

「当院はまだ開院して12年しか経っていない、いわば地域の新参者です。しかし、各分野の優れた医師の協力を得て、地域に本当に必要とされている様々な挑戦を続けています」と貞島総長は語る。

そして、これらの挑戦の成果を、宇和島独自の地域包括ケアシステムとして構築し、超高齢社会における地域医療のあるべき姿として発信していくことが今後の目標だと言う。

「そのためにも、地域医療のできる医師をここで育てていきたいと思います。専門や経験にこだわらず、地域医療を志す方、総合診療を目指す方に来ていただきたい。ここにはこれからの日本で本当に必要とされる医療に直接触れる場があります」

2014年、宇和島徳洲会病院に池田佳広院長が着任し、「経営的視点」がより強化されることになる。次回は池田院長の経営改革への挑戦について紹介する。

この患者は顎のわずかな動きだけで、モニター上に文字を表示する。伝えたいことを入力してからナースコールを押すので、会話ができなくてもスムーズな意思疎通が可能。

DATA

正式名称 医療法人 沖縄徳洲会 宇和島徳洲会病院
募集科目 内科・外科・整形外科・健診・麻酔科
業務内容 外来対応:週4~5コマ(1コマ患者数10~30名程度)、病棟管理:受持ち患者数10~20名程度(介護療養の場合は50名程度)、往診、手術等 ※科目により、異なります
給与 年収1,400万円~2,000万円(税込)
勤務日数 週4.5〜5.5日
勤務時間 平日8:30 ~ 17:00、土曜日8:30 ~ 12:30
当直 3 ~ 4 回(月)※応相談
休日 日曜日、祝祭日、年末年始休暇、夏期休暇等
待遇 雇用保険、労災保険、健康保険、賠償保険、学会費補助、医療費補助、赴任費用補助、借り上げ社宅制度等
診療科目 内科、循内、外科、泌尿、整外、他7科目
病床数 300床
医師数 常勤13人
勤務地 愛媛県宇和島市住吉町2-6-24
交通 JR「宇和島駅」から車で約5分 ★勤務条件等はご相談に応じますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
TEL:
0895-22-2811
HP:
http://www.uwatoku.org/