公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構
倉敷中央病院

体制の充実と個々のスキルアップを通し、国際基準の麻酔科を目指す。

1923年に創設された倉敷中央病院。以来90余年にわたり地域の医療を支えてきた。市の中心部に市民病院のない倉敷市において3次救急まで対応するなど、大学病院と比しても遜色のない高度専門医療を提供している。本年3月には国際的な医療機能評価(JCI)の認定を取得。地域の期待と果たすべき責任はますます高まっている。その中で大きな役割を担う、同院麻酔科の主任部長、山下茂樹氏に話を聞いた。

山下 茂樹
倉敷中央病院 麻酔科 主任部長
1983年/山口大学医学部卒業 同年/山口大学医学部附属病院 同年/倉敷中央病院 1988年/多根総合病院 1990年/倉敷中央病院 2011年/同院麻酔科 主任部長に就任

山下 茂樹氏

豊富な症例数を通じて
麻酔科医としてのスキルを磨く

倉敷中央病院は1161床を有する大規模総合病院であり、2015年度の麻酔科管理症例数は5700件を数える。現在、麻酔科の常勤医は27名。これに非常勤やパートの医師も加わる。

「日本の一般的な病院としては比較的充実した体制と思われるかもしれませんが、より安全な手術、また医師の働く環境を考えた時に、さらに強化が必要と考えています。アメリカでは70〜80名の麻酔科医がいて、さらにレジデントも加えると100名以上、という所もあります。JCIの審査は、こうした所と同等の基準で行われますので、今後も常に上を目指していかなければなりません」

高度な専門医療を提供する同院にあって、麻酔科の手がける症例は非常に幅広く、かつ難症例も少なくない。これは麻酔科医のスキルアップのためには願ってもない環境だと山下氏は語る。

「高齢化社会を反映し、65歳以上の患者が約半数(47%)を占めています。心不全、虚血性疾患、COPD、脳梗塞、腎不全、悪性疾患などの併存症を持つ患者が多く、高度な技術と幅広い知識が要求されます。また当院では胸部大動脈瘤手術を含む心臓血管手術の症例が多いのも特徴。同手術を自分のものとすることは、麻酔科医としてひとつの到達点でもあります。ここではその経験値を高めることができると言えるでしょう」

さらに同院の麻酔科では集中治療室や疼痛外来(ペインクリニック)にも領域を拡大。麻酔科医の活躍の場を広げている。特に集中治療に関しては山下氏が集中医療センターのセンター長を兼任。積極的な関わりを図っている。

「現在、麻酔科での仕事は、手術室が8割、集中治療室が2割くらいの比率となっています。集中治療室には新生児から超高齢者まで場広い年齢層の患者が入室。重症呼吸不全や種々の感染症、敗血症、重症急性膵炎等の内科系疾患に加え、多発外傷、外科術後、中毒、熱傷といった外科系疾患まで、非常に幅広い症例に対応しています。コードブルーにも参加しますので、緊急対応、蘇生法の能力も、その中で磨かれていると思います」

各大学とも連携。
専門医を目指しやすい環境

こうした環境に加えて倉敷中央病院の麻酔科では、しっかりとした教育体制が敷かれている。

「当科には一般外科や脳外科、循環器科、救急など、様々な分野出身の医師がいます。また、レジデントとして入る若手も多く、彼らに対しては、まず半年間は必ず指導医がついて、術前から、手術を終え患者が病室に戻るまで指導していきます。段階を追ったプログラムもしっかりと作っていますから、不安なく麻酔科医としてステップアップできるでしょう」

さらに麻酔科専門医を取得するための新制度において、倉敷中央病院単独で、麻酔科専門医を目指して研修を開始する医師(専攻医)が、指針に定められた麻酔科研修カリキュラム到達目標を達成できるという。

「当院は麻酔科専門医研修プログラムの責任基幹施設の申請を行っており(取材時)、関西医科大学、川崎医科大学、山口大学それぞれの麻酔科の関連研修施設となっています。関連病院として、10㎞ほど離れた場所に倉敷リバーサイド病院もあり、これらの施設と症例を分け合うなどの交流を通して、スムーズに専門医の取得が目指せます。この他、定期的に心臓血管外科の専門医等を招いて勉強会を開催するなど、多くの学べるチャンスを用意しています」

倉敷中央病院の手術センターでは先進の設備を整えた29の手術室を、チーム力で運用。手術件数は、年間12,668件(2015年実績)を数える。

倉敷中央病院のシンボルともいえる温室。ブーゲンビリアやヤシの木など、約20種類の熱帯植物が植えられ、患者の心を癒やしている。

女性医師も活躍。
充実の体制で細やかに対応

倉敷中央病院の麻酔科では女性医師も数多く活躍している。それを可能にしているのが、充実した体制をベースとした細やかな対応だ。

 「結婚・出産・子育てという様々な段階に合わせ、たとえば週4日勤務にする、常勤ながら当直を免除する、など対応しています。男性医師でも、個人の事情に応じて、土日の当直を免除するなどの対応をとっています」という山下氏。ちなみに院内には保育園もあり、病児保育にも対応している。病院としてこうした体制を維持し、さらに麻酔科の大きな責任を果たしていくためにも、新たな人材に参加してほしいと語る。

 「JCIの審査では、全身麻酔やルンバール等において、術前評価や導入直前評価、薬入れの承認、そして最後に病室に戻すまで、全て麻酔科医のコントロールのもとに行わなければならない、とあります。安全面から見れば当然のことですが、これを徹底するためにも、体制の充実は必要です。すでに当院の麻酔科は高い評価を得ており、当院から他院へ移った医師からは、『倉敷で仕事をしていたおかげで、今の仕事が難なくこなせる』という言葉もよく聞かれます。もちろん、現在麻酔科専門医や指導医として活躍している医師も歓迎です。ぜひ、私たちと一緒に、国際基準の麻酔科をつくっていきましょう」

月に一度、コンサートが開かれるセントラル・パーラー。一角には日本庭園を造り、患者に四季を体感してもらえる。

専任図書館司書がいる、職員専用医学図書室。院内にない文献の取り寄せや、書籍の貸し出しの対応、文献検索の相談にも応じている。

DATA

正式名称 公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院
募集科目 麻酔
給与 年収1,200 万円〜1,400 万円(税込)
※10年目標準
業務内容 手術麻酔、ICU患者の治療、疼痛外来・危機管理等
経験 麻酔科認定医以上
勤務日数 週4 〜5.5日
当直 あり
勤務時間 8:00〜16:15 土曜 8:00〜12:15
休日 日、祝日、隔週土曜、慶弔、年末年始、有給休暇、産休・育休・介護休暇あり
待遇 社保完備、学会出張可、住宅手当、引越手当
勤務地 岡山県倉敷市美和1-1-1
交通 JR山陽本線「倉敷駅」より、下電バス「中庄駅行」・「児島駅行(天城線)」・「茶屋町駅行」で10分、「中央病院前」下車すぐ
TEL:
086-422-0210
HP:
http://www.kchnet.or.jp/