特定医療法人 新生病院

多職種連携により患者の満足度も向上
地域に根ざし、やりがいのある在宅医療へ

山本 直樹
総合診療科(在宅医療担当)

山本 直樹氏

野平 真理子
皮膚科

野平 真理子氏

石井 栄三郎
小児在宅ホスピス科

石井 栄三郎氏

小布施町唯一の病院として
在宅医療などのニーズに応える

人口1万人強の長野県小布施町(おぶせまち)は、葛飾北斎の肉筆画をはじめ多数の歴史的遺産、特産品などをもとに地域活性に取り組み、国内外から毎年100万人以上を集める観光地となった。

そのような進取の気風とともに、「患者と医師が互いに敬意と感謝の気持ちで接する」といった昔ながらの良き伝統も残る同町で、長く地域医療に取り組んできたのが新生病院だ。

同院は日本の結核患者を救うため1932年にカナダ聖公会が建設した診療所が母体。その後は一般病院を経て2003年に特定医療法人となった。キリストの愛と精神にもとづく医療を理念とし、回復期リハや訪問診療のような地域が求める医療に加え、途上国や被災地での医療協力活動にも積極的だ。

超高齢社会を見据えて、同院は以前から医療環境の充実と設備拡充に努め、回復期リハ病棟の開設や緩和ケア病棟の増床を実施。現在は一般病棟(地域包括ケア病床含む)、回復期リハ病棟、緩和ケア病棟、療養病棟の4病棟155床からなるケアミックス病院となり、同町唯一の病院として「最期まで住み慣れた地域・環境で安心して暮らしたい」という住民の願いに応えるため、在宅医療に力を入れている。

加えてグループ内のNPO法人が運営する訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、複合型介護施設などの関連施設とも連携し、同院で外来診療や在宅医療を担当する医師・看護師、在宅医療に携わる多職種のスタッフ、訪問看護ステーションの看護師、地域の介護職などが一つのチームとなって地域の医療・福祉を支えている。

専任医師・看護師を中心に
質の高い在宅医療を提供

10年ほど前、岐阜県の急性期病院から転職し、同院の在宅医療を担う山本直樹氏は、在宅で行う全人医療を一生の仕事にしたいとの考えがあったと言う。

「ロボット支援手術やAIなど医療技術が進化しても、患者さんとご家族が望まれる最期をお手伝いする在宅医療は、医師の人間力が存分に発揮できる分野。病状を生物学的観点だけで判断せず、本人の生育歴や現在の環境も踏まえて適切な医療を行うことは、一人ひとりの希望に応える医療の原点と考えています」

在宅医療の強化を目指す同院では、山本氏の着任に合わせて在宅支援課を設置。同氏を中心に、在宅専任の看護師を4人配置するなど診療体制を整えた。

在宅医療に習熟した医師・看護師を擁する同課は、患者宅への訪問診療を午前4件、午後4件のペースで実施。必要な際は24時間対応で往診を行っている。

「当課の専任看護師は在宅医療の知識・経験が豊富。訪問診療に同行し、患者さんのケアやご家族のフォローを担当するほか、医師と違う視点から気づきをくれるので非常に助かりますね。日々の訪問予定も看護師が組んでくれるので、医師は医療だけに集中できる環境です」

カルテはクラウド対応で訪問診療の途中に大半を記入し、病院での時間を有効活用。訪問看護師や介護スタッフの訪問状況もカルテでタイムリーに把握でき、次回の訪問診療に生かせると言う。

加えて山本氏は知識の習得を怠らず、『The New England Journal of Medicine』等を定期的に読み、医師同士のカンファレンスで英文の文献発表を続けている。

皮膚科、小児科、歯科をはじめ
多職種のチームワークは強固

同院の在宅医療には皮膚科、小児科、歯科口腔外科など複数の診療科が加わり、リハビリテーション部が訪問リハビリも行う。週2回のカンファレンスでは在宅担当の医師・看護師、栄養士、訪問看護師、ケアマネジャーによる情報交換で医療と介護の連携を密にし、必要に応じて他の診療科の医師も参加して専門的見地から提案を行うなど、多職種のチームワークで質の高い在宅医療を提供する。

皮膚科で外来診療と在宅患者の往診を担う野平真理子氏は、自宅の状況を知ることで解決できた問題もあると語る。

「体の片側だけ床ずれになる患者さんのご自宅を訪ねると、家族が部屋に出入りする部分を注視する姿勢が原因とわかり、頭と足の位置を定期的に変えて改善した例もあります。主治医と相談して、皮膚疾患を繰り返さないよう生活面のアドバイスも行い、結果が出るとご本人やご家族、介護スタッフにも喜ばれるのがうれしいですね」

同院に来るまで在宅医療は未経験だった野平氏。院内に在宅専任の医師や看護師が常駐し、内科や小児科をはじめ相談相手も多い環境は心強いと言う。

一方で難病の子どもを対象に訪問診療を行うのが小児在宅ホスピス科の石井栄三郎氏だ。長野県立こども病院で在宅医療支援を経験し、子どもを在宅でケアする母親を直接支援したいと考えて新生病院に転職した。同院の在宅担当の看護師やリハビリスタッフと小児の在宅医療について情報を共有し、栄養士やMSWとの連携で食事や生活に関する母親の悩みに応え、皮膚疾患は野平氏の協力も得るなど、トータルな支援が重要と石井氏。

「地域に根ざした在宅医療を続けてきた当院の強みを生かし、今後は小児からAYA世代、成人まで継続して在宅で診る体制を作り上げたいと考えています」

さらに歯科口腔外科ではグループ内の高齢者施設を中心に訪問歯科診療に取り組んでいる。在宅の患者にとって生きる上で、また楽しみの一つとして重要な「かんで口から食べる」ことを維持するため、病気の状態や他科による治療スケジュールを把握し、抗凝固薬の内服や骨粗しょう症治療薬の注射時期といった共有情報をもとに歯科治療を続けている。

同院の在宅医療が注力するのは痛み、吐き気、かゆみ等さまざまな不快な症状の緩和により、患者と家族の生活の質を向上させることだと山本氏は言う。

「20世紀は感染症制圧などキュアが急速に進み、医師は治療技術が重視されました。しかし21世紀はケアが主体で、一人ひとりの気持ちに寄り添う対応が一層求められます。当院の在宅医療はそれを体現したもので、患者さんやご家族の満足度も非常に高く、私たちも仕事のやりがいを実感できます。私の転職は50歳でしたが、当院ならどんな年齢でも成長できる懐の深さがあり、豊かな自然の中でワークライフバランスの充実も図れる環境が整っているのが強みですね」

同院敷地内の「スタートハウス」は、母体となった診療所開設に尽くしたリチャード・ケンプ・スタート氏(新生診療所初代所長)を記念した建物。87年前からの思いが現在も同院に息づいている。

山本直樹氏(総合診療科)が在宅医療の中核となり、小布施町や隣接する須坂市などを担当する

DATA

  • 特定医療法人 新生病院
正式名称 特定医療法人 新生病院
募集科目 内科(一般内科・消化器内科等)、総合診療科 在宅診療等の体制強化に伴う募集
業務内容 外来、病棟業務(療養等)、訪問診療、健診
給与 1,500万円〜2,000万円 ※諸手当・当直代含む(税込)固定残業代は給与に含む。試用期間なし
勤務時間 月〜金 8:30〜17:30(休憩60分)※月1回程度、土曜勤務有り 8:30〜12:30
勤務日数 週5日
当直 基本的に月2回程度
休日 4週8休(応相談)、年末年始休暇・年次有給休暇
待遇 健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険役職手当、当直手当、日直手当、通勤手当等 社宅提供(応相談)
施設情報 併設保育園あり
勤務地 長野県上高井郡小布施町851
交通 長野電鉄小布施駅からタクシーで約5分、徒歩で約20分
TEL:
026-247-2033
HP:
http://www.newlife.or.jp/