株式会社ラカリテ

患者目線に立ったクリニック計画を追求
プロとして妥協のない空間づくりに応える

患者がよりリラックスできる空間にしたいという希望を持っていた『むらさき乳腺クリニック五反田』の院長、池田紫氏。
その願いに、クリニック設計のプロとして応えた株式会社ラカリテの佐藤証司氏。
二人にクリニックづくりにかける想いとこだわりについて聞いた。

池田 紫
むらさき乳腺クリニック五反田 院長
◎2010年/昭和大学病院ブレストセンター
◎2018年2月/むらさき乳腺クリニック五反田 開院

池田 紫氏

佐藤 証司
株式会社ラカリテ 設計担当

佐藤 証司氏

患者を別の世界に
連れて行きたいという想い

「患者さんを別の世界へ連れて行ってあげたい。クリニックづくりに際しては、そんな強い想いがありました」と語るのは、『むらさき乳腺クリニック五反田』の院長、池田紫氏だ。同氏は開業するまでは昭和大学病院ブレストセンターで、乳腺に関わる先端の治療・研究に取り組んできた実績を持つ。

「海外からも多くの患者さんが来院する施設で、著名なドクターも多数在籍している環境の中で刺激を受け、多くのことを学ぶことができました。その一方で、患者さんとじっくりと向き合ってお話を聞く時間が少ないことは、気がかりに感じていました」

そこで同氏は病院側とも相談し、検査や手術後の患者の受け皿となるクリニックを開業することを決意。医局の同僚医師やスタッフの協力も得て、患者一人ひとりとじっくり触れ合える環境づくりを目指したという。

「術前術後の検査や、投薬、放射線治療などで、何度も大学病院を訪れている患者さんは、病院という空間に、もう飽き飽きしているのではないかと思います。また、治療の副作用や病気の再発に不安をお持ちの患者さんも数多く来院されることが想定されます。そこで、クリニックはそうした患者さんが少しでも病気という不安な世界から離れ、リラックスできる空間にしたいと考えました」

そんな折、同じ乳腺外科のドクター仲間が開業したクリニックを訪れた同氏。今まで見てきたクリニックのイメージを大きく変える内装デザインに感銘を受け、同じ設計会社、同じデザイナーに自らのクリニックも任せたいと思った。それが株式会社ラカリテであり、同社の佐藤証司氏だった。

事業を起こすという視点で
他クリニックとの差別化を図る

これまでに豊富なクリニック設計の実績を有する佐藤氏。以前は商業施設の設計も数多く手がけていたという同氏は、特に留意している点として、常に患者の目線に立って考えることを挙げている。

「クリニックを計画する場合、ドクターが中心になりがちですが、クリニックの最終目的は多くの患者さんに愛され、安心して受診していただくこと。開業も事業を起こすという点では、商業施設の開設と同じです。患者さんが満足でき、かつ、他のクリニックとの差別化を図らなければならないと考えています。その点、池田先生は明確な患者さん目線でのクリニックづくりを考えていらっしゃったので、同じ方向を向いて、クリニック設計に取り組むことができました」

池田氏の要望のひとつに、3つの待合室をつくることがあった。メイン、検査室前、そして検査結果の告知を受けた患者が今後の治療についてなど家族と話し合える待合だ。広さに限りがある中で、どのように各空間をつくっていくかは大きな課題だったと佐藤氏は語る。

「メインの待合は受付カウンターの位置を1㎝単位で検討しながら広さを確保しました。検査室前の待合は天井や壁、検査室ヘの扉の質感や照明を変化させることで空間を仕切り、さらに観葉植物を配置して目隠しに。また家族の待合は、プライバシーを確保しつつ、全く閉じてしまって孤独を感じないようにとの池田先生のご希望に応え、オープンラックの本棚で緩やかに仕切っています。この棚の高さや位置などもシミュレーションを重ね決定しました」

ディテールにまでこだわった佐藤氏のクリニック設計に、大変満足したと池田氏は語る。

「このビルは雑居ビルでクリニックを開業するには様々な制約もありましたが、こちらからは何も言わずとも、患者さんやスタッフの動線、給排水や空調、放射線設備まわりなどに関して問題をクリアしながら、デザインを追求してくれましたし、ビルオーナーとの交渉も担ってくれました。またこちらから出した要望に関し、それが設計的に有効でない場合は、『それはダメですよ』と、その理由とともに率直にお話しいただきましたし、参考となる空間を度々一緒に見に行くなど、納得のいくまでイメージの共有を図ってくれました。こちらは医療のプロ、佐藤さんは設計のプロということで、対等な立場で妥協なく、理想のクリニックづくりを進めることができたと思います」

池田院長と佐藤氏。池田院長は「佐藤さんがいなければ、私が理想としたこのクリニックは実現しなかったと、大変感謝しています」と語る

多彩なアイデアで“人に伝えたくなる”クリニックを提案

そのクリニックにとって何がベストかを考え、デザイン

ドクターの人柄、スタッフ、地域性、患者さんの特性などを常に考え、そのクリニックにとって何がベストな空間デザインなのかを追求しているという株式会社ラカリテの佐藤氏。『むらさき乳腺クリニック五反田』でも、その姿勢が貫かれています。

金属やガラスなどの無機質に感じられる素材はなるべく使いたくないという池田氏の希望に応え、木の温かみを活かした空間に。天井に梁を表すなどして高さに変化をつけ、立体的な広さを演出。

照明計画にもこだわり陰影による落ち着いた雰囲気に。

緩やかにしきられた家族の待合。

検査室前の待合。

検査機器を配した診察室。

スタッフ動線にも配慮。

壁にイラストを施した放射線検査室。

DATA

正式名称 株式会社ラカリテ
[本社] 〒140-0015 東京都品川区西大井4-18-9
[大阪支店] 〒541-0057 大阪府大阪市中央区北久宝寺町1-4-11 ラ・スィート403
TEL:
03-5726-9239/0800-800-3158
HP:
http://www.laqualite.jp/