骨の名称と聞くと、学生時代に骨学実習で覚えたラテン語の名称が出てくる方も多いことでしょう。
また、肩甲骨=scapula、鎖骨=clavicle、胸骨=sternum、脛骨=tibiaといった英語は浮かんでも、それらの一般英語であるshoulder blade、collarbone、breastbone、shinboneはなかなか出てこないようです。骨(bone)には多くのイディオムが存在します。
今月はそんなboneに関する表現をいくつか紹介します。
次の文章の意味を下線部の表現に注意して考えてください。
boneにはさまざまなイメージがありますが、ここでは白骨の持つ「乾燥したイメージ」が使われています。「白骨のように乾いている」という意味合いから、“My skin is bone dry.”のようにいろいろなものを形容することができる表現です。
非常によく似た表現に“as dry as a bone”がありますが、こちらは土や砂など、文字どおり「白骨のように乾いたもの」にしか使えませんのでご注意を。
この“a bone to pick”は、日本語の発想で考えると「喉に骨がひっかかっているような煮え切らない関係」を思い浮かべてしまいますが、実際には犬が時間をかけて骨をしゃぶるように「もっとしゃぶる(議論する)必要があること」から派生した表現です。そこから現在では「簡単には納得できない状態/ちょっとした意見の不一致」を意味する表現として使われています。
これは比較的、イメージしやすかったのではないでしょうか。文面どおり“to work one's fingers to the bone”で、「手の指の骨が出てくるまで一生懸命働く」という意味になります。
また、同じようなイメージの表現として「骨まで凍えている状態」を表す“chilled to the bone”があります。スキーに行ったときなどに“I'm chilled to the bone.”と使ってみてください。
続いて、以下の文章を英訳してください。
見慣れない表現が多いと思いますが、いかがでしたか?
たとえば、皆さんがMRIの説明をしているとします。そこで患者さんが「全然わからない」という表情をしたときが、この表現を使うベストなタイミングです。“the bare bones of it”は「肉や内臓を全部とって骨だけにすると……」という意味で、難しいものをわかりやすく言い換えるときに使います。
同じ意味の表現として“in simple terms”もよく使われるので、覚えておいてください。
これは本当にイメージしにくい表現で、由来についても諸説あります。一般的なのは「白骨を磨くように、根気強く知識をつける」というものです。皆さんもぜひこのコラムで“to bone up on your English colloquial expressions”「英語の口語表現を勉強する」ようにしてくださいね。
おそらくイメージしやすかったと思いますが、“to feel in one's bones”で「直感で感じる」という意味になります。前回紹介した“My gut's telling me that someone's after me!”と同じ意味になるので、一緒に覚えてください。